ある高低圧兼用型は、高圧では柄を伸ばして充電部に近づかないようにし、低圧では縮めて検電します[1]。同じ兼用型は、1本でAC80V〜7000Vを検知できます[1]。ある技術者は、高圧検電器で無電圧を確かめた後に低圧側も念のため検電しています[2]。どの器具で検電するかは、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
使える電圧の範囲:低圧用・高圧用・兼用型の違い
鳴り始める電圧と、検電器が反応しない場所
交流検電器は静電誘導を利用して、充電部から人体を経て大地へ流れる微小電流を捉えます[1]。検出電流は1μA未満で、人体への影響はありません[1]。検電器は内部の高抵抗でこの微小電流を拾い、光と音に変えて知らせます[1]。静電容量を介して検出するため、交流検電器では直流電圧を検出できません[1]。
兼用型を縮めて使うと、低圧は80Vから検知できます[2]。ある交流・直流両用機は、直流をDC3kVから検出する仕様です[4]。そのため、ある技術者は直流耐圧試験の充電確認を3kVまで昇圧してから行っています[4]。
高圧検電器は、低圧CVケーブルの被覆の上では反応しません[1]。シールドが接地された高圧CVケーブルの被覆部でも鳴りません[1]。UGSキャビネット内の立ち上がり部も、CVケーブルの被覆に覆われているため反応しません[1]。一方で、被覆を剥いてテープを巻いた接続部の付近では反応します[1]。鳴らない位置があることを前提に、検電する箇所は手順書で確かめてください。
高低圧兼用型は「伸ばして高圧、縮めて低圧」
低圧用を高圧に当ててはいけない理由
現場の実例:キュービクルで高圧側から低圧側へ検電をつなぐ
直撃雷でPASが焼損した現場の記録では、技術者がまず高圧検電器で無電圧を確かめました[2]。技術者は続けて、低圧検電器でも念のため検電しています[2]。兼用型であれば、伸ばして高圧を確かめた後に縮めると80Vまで検知できます[2]。
同じ現場の技術者は、測定する前にメガーで電圧が残っていないかも確かめています[2]。三相短絡接地器具で放電しようとすると、顔の近くで操作することになります[2]。アークが出れば顔や目をやけどするおそれがあり、記録では大変危険だと注意しています[2]。
別の技術者は、太陽光発電や蓄電池が増えたため、高圧を切っても電源が残る設備があると注意しています[6]。同じ技術者は、高圧だけでなく低圧側も切ってから作業に入るよう呼びかけています[6]。継電器試験で試験電源を入れるときは、既設の配線を先に外すのがその技術者の手順です[6]。
検電器の電池切れや故障を見落として、事故につながった例もあります[1]。電池切れの検電器が鳴らず、作業者が無電圧と思って放電したところ、充電されていてアークが出ました[1]。テストボタンでは鳴ったのに、故障のため高圧充電部に近づけても鳴らなかった例もあります[1]。その現場の作業者は電圧計で充電に気付き、感電を免れました[1]。
使用前の点検と、作業再開時の再検電
現場で確かめること
- 検電器の使用電圧範囲が対象の電路に合っているか
- 兼用型を高圧では伸ばし、低圧では縮めて深く握っているか
- 使用前にテストボタンと電池の状態を確かめたか
- 太陽光や蓄電池など低圧側の電源も切ったか
- 被覆部やシールド接地部など反応しない箇所を避けたか
- 作業を再開する前に改めて検電したか
実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。
よくある質問
Q.検電器は直流の電路にも使えますか?
A.静電誘導を利用する交流検電器では、直流電圧を検出できません[1]。ある交流・直流両用機はDC3kVから検出する仕様で、DC3kVより低い直流電圧では反応しません[4]。一般に、低圧の直流回路では電圧に合う測定器を選び、手順書に従って確かめる必要があります。
Q.高低圧兼用型の検電器を低圧に当てても鳴らないのはなぜですか?
A.兼用型は、伸ばしたまま低圧に当てても反応しません[1]。握り部を浅く持つと、低圧で反応しないこともあります[1]。縮めて深く握り直しても鳴らない場合は、検電器の電池切れや故障も疑う必要があります[1]。
出典(このページのもとにした記事・動画)
本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。
- [1]交流検電器の仕組み 原理 使い方 注意事項でんきメモ (memo-labo)
- [2]直撃雷でPASが焼損、PASが導通、LBSのPF溶断、電灯電圧計が爆発でんきメモ (memo-labo)
- [3]低圧、高圧、特別高圧の違いでんきメモ (memo-labo)
- [4]【直流耐電圧試験】直流検電器と残留電荷放電棒の使用前検査とある電気管理の位相 / 2026年4月7日
- [5]今更★活線作業と検電電験・電気管理(denken333) / 2019年2月22日
- [6]【電気管理技術者】安全に点検する方法を完全解説ゆうじの「電気保安の学校」(YouTube) / 2024年5月30日
- [7]検電佐近電気管理事務所
- [8]【初心者向け】キュービクル点検って何をするの?実務の流れを徹底解説!ゆうじの「電気保安の学校」(YouTube) / 2025年5月12日