検電器具は定期的に点検して性能を保ち、使う前にも必ず点検するよう定めた基準があります[1]。絶縁用保護具等には6か月以内ごとの自主検査が挙がっていますが、検電器が対象に含まれるかは参照した資料に示されていません[2]。ある技術者の定期自主検査の記録には、保護具と並んで高低圧検電器の検査結果も載っています[3]。反応し始める電圧は機種ごとに仕様で示されるため、周期と確認方法はメーカーの基準と現場の手順書で確かめてください[4][5]。
検電器の校正は必要か 使用前点検と定期点検の二段構えで管理する
一般に、高圧検電器は使う直前の動作確認と、定められた周期の検査や校正との二段構えで扱われます。
安全用具は管理責任者を選任し、整備基準と点検基準を定めて管理します[2]。絶縁用保護具等には、6か月以内ごとに1回の自主検査と結果の3年間保存が挙げられています[2]。検電器は、作業前に設備の状態と危険の有無を調べる検出用具に分類されています[2]。検電器が6か月以内ごとの自主検査の対象に含まれるかは、参照した資料に示されていません。別の基準は、検電器具の定期点検と使用前点検の両方を求めています[1]。
ある技術者の定期自主検査の記録には、保護具と並んで高低圧検電器の検査結果も載っています[3]。記録にある保護具は、高圧絶縁シート・高圧絶縁手袋・高圧絶縁長靴・ヘルメットです[3]。同じ技術者は、器具ごとの合否を記録に残しています[3]。別の技術者も、半年ごとの点検としてヘルメット・高圧ゴム手袋・高圧ゴム長靴などをまとめて試験しています[6][7]。
保護具の試験電圧は、告示と施行通達で挙げられている数字が違います[7]。3,500Vを超え7,000V以下の電路に使う保護具は、告示の規格では20,000Vです[7]。一方、改正省令の施行通達では、3,500Vを超える電路用が10,000Vです[7]。ある技術者は施行通達の値を採り、10,000Vで試験しています[7]。同じ技術者は別の記録でも、ヘルメットや高圧ゴム手袋を10,000Vで試験しました[6]。自主検査の試験電圧は、法令・通達の原文とメーカーの基準で確認してください。
どの項目をどこまで見るか、合否をどう判定するかは器具や設備で変わります。実際の実施方法は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
耐圧試験で見る絶縁と、検電機能の確認を分けて考える
一般に、検電器の校正という言葉には、絶縁を見る耐圧試験と検電部の反応を見る確認が混ざりがちです。一般に、どちらを確かめたいかを先に決めると、依頼先と準備を整理しやすくなります。
活線作業用器具の規格は、頭部の金物と握り部の頭部寄りとの間の絶縁を試験の対象にしています[8]。試験電圧は使用対象となる電路電圧の2倍で、印加時間は5分間です[8]。不良がいし検出器のように支持物の絶縁を点検する器具は、印加時間が1分間です[8]。試験では、握り部の頭部寄りに金属箔などの導電物を密着させます[8]。密着させた導電物と頭部の金物を電極にして、試験交流を加えます[8]。
ある技術者は、絶縁シートの試験でアース側にアルミ板を敷き、印加側に水で濡らしたタオルを当てました[3]。同じ技術者は絶縁手袋の試験で、アース線をつないだ銅板をバケツに入れています[3]。高低圧検電器については合否だけが書かれ、印加箇所や電圧は記録に残っていません[3]。
検電器が活線作業用器具の区分に当たるかは、参照した資料に示されていません。別の資料は、検電器を検出用具に、フック棒を活線作業用器具に分けています[2]。検電器に何kVを何分掛けるかは、メーカーの基準と現場の手順書で確認してください。
交流用の検電器は、充電部・検電器・人体・大地のそれぞれの間にできる静電容量を利用します[9]。静電容量を通るごく小さな交流電流を内部の高抵抗で捉え、光と音に変えて知らせます[9]。交流電流は1μA未満で、人体への影響はないと説明されています[9]。直流では静電容量を通して電流が流れないため、検電器の接地端子を大地につなぎます[4]。検知部を露出した充電部に当てて閉回路をつくり、流れた直流電流で検出する仕組みです[4]。
反応し始める電圧は、機種ごとに仕様で示されています[4][5]。ある交直両用の高圧・特高用検電器は、直流3kVから検出する仕様です[4]。そのため、ある技術者は直流耐圧試験で充電を確かめるときも、3kVまで昇圧してから検電しています[4]。低圧と高圧の両方に使える伸縮式の製品例では、検知範囲が交流80Vから7,000Vです[9]。高圧用の検相器では、動作開始電圧が裸線で600V以下、絶縁電線で3.3kV以下と分かれています[5]。
検電できる電圧には範囲があるため、ある技術者は範囲に気を付けて検電器を使っていると話しています[10]。同じ技術者は、線をつなぐと直流も検電できる機種を使っています[10]。被覆の上から挟む検相器の例では、対地間電圧が70V以下だとLEDが点灯しません[5]。電圧を少しずつ上げて鳴り始めの電圧を実測した記録は、参照した資料にありません。実測で確かめたい場合は、メーカーや依頼先に対応できる範囲を確認してください。
ある技術者は直流耐圧試験の前に、検電器と放電棒の抵抗値を測る使用前検査をしています[4]。抵抗が無ければアークが出て危なく、高すぎれば断線が疑われるという理由です[4]。記録にある放電抵抗は、交直両用の高圧・特高用検電器が600MΩ、高低圧用検電器が50MΩです[4]。測った値にばらつきはあったものの、おおむね仕様どおりでした[4]。
音と光で放電を知らせる残留電荷放電棒は、検電器に似ていますが検電器ではありません[4]。同じ技術者は、検電と放電を取り違えないよう注意を促しています[4]。印加点側と送り出し末端側のために、検電器と放電棒を2セット用意しています[4]。一般に、耐圧試験の合否は絶縁の確認であり、検電機能の状態までを直接示すものではありません。
使用前点検と、検電器が反応しない箇所を知っておく
ある基準は、簡単な作業でも着手前に検電器具で充電の有無を確かめるよう定めています[1]。検電の責任者は作業指揮者です[1]。同じ基準は、遮断器や開閉器を開いたあとの検電に加え、作業を中断して再開するときの検電も求めています[1]。
低圧と高圧の両方を検知できる伸縮式の製品例では、高圧はすべて伸ばしてから検電します[9]。低圧は縮めた状態で検電し、伸ばしたまま当てても反応しません[9]。握り部は深く持つ必要があり、低圧では浅く持つと反応しない場合があります[9]。縮めたまま高圧を検電すると充電部に近づき、感電の危険があると書かれています[9]。伸ばす長さと握り方は機種で異なるため、取扱説明書と現場の手順書に従ってください。
高圧検電器が反応しない場所も挙げられています[9]。低圧CVケーブルの被覆部分と、高圧CVケーブルのうちシールドが接地されている被覆部分です[9]。UGSキャビネット内の立ち上がり部分も、ケーブルの被覆に覆われているため反応しません[9]。一方、UGSへの接続部付近は被覆を剥いてテープ巻きしてあり、検電器が反応します[9]。
ある技術者は、ケーブルの端末処理部分に検電器を当て、どの位置で鳴るかを確かめる実験をしました[10]。一般に、検電器が反応しないことだけでは停電と判断せず、当てた箇所が検電に適するかを手順書で確かめます。
検電や停電作業の手順は設備と作業内容で変わります。実際の手順は現場の手順書に従い、判断に迷う場合は有資格者の確認を受けてください。
電池の扱いも点検の対象に入れる
検電器・検相器・メガー・テスターなどは乾電池で動きます[11]。長く使わないときは、機器から電池を抜いておくよう勧める記録があります[11]。電池が入ったままだと通電状態になり、わずかに電気を消費し続けます[11]。アルカリ電池を長く放置すると液漏れのおそれがあり、漏れた液で機器本体が壊れる可能性もあります[11]。
電池の保管は10〜25℃が適温で、35℃を上回らない場所を選びます[11]。直射日光が当たる場所と高温多湿の場所は避けます[11]。冷蔵庫に入れると、取り出したときの結露がさびの原因になります[11]。金属類と一緒に保管すると、ショートして発熱や破裂の危険があると書かれています[11]。
交換するときは一部だけを新しくせず、すべてを新品にそろえます[11]。新品と使いかけを混ぜて使うと、液漏れを起こすおそれがあるためです[11]。
何年ごとに出すのか 試験器の校正周期は根拠で分かれる
検電器そのものの校正周期を示した記録は、参照した資料にありません。試験器の校正周期を技術者がどう決めたかを、参考として示します。
ある技術者は、計測器メーカーが確度保証期間を推奨校正周期として示している点を根拠にしています[12]。手持ちの絶縁抵抗計は確度保証期間が1年でした[12]。そのため同じ技術者は、絶縁抵抗計と接地抵抗計を1年周期で校正しています[12]。
一方、同じ技術者が参照した書籍には3年という数字があります[12]。書籍には製造者の校正基準によるとも書かれていたため、同じ技術者は製造者側の考えを採って1年にしました[12]。同じ器具でも根拠の取り方で周期が変わるため、現場や設備によって判断が分かれます[12]。
校正の対象に入れるかどうかも一様ではありません[13]。耐圧試験用の高圧リアクトルについて、ある技術者は校正を求められた経験が一度もないと述べています[13]。試験容量を上げるための機器なので、正常に使えれば校正は要らないという考えです[13]。
校正で確かめるのは、決められた数値を試験器がきちんと出力できるか、メーターが正しく動くかです[12]。一般に、周期の設定は、校正による確認をどの頻度で挟むかという判断になります。
現場の実例 検査に通っても買い替えを考えることがある
定期自主検査で、高圧絶縁シートの中央に黒い点として見える抜けが見つかった例があります[3]。購入から1年程度のシートで、どこかに引っ掛けた可能性があります[3]。技術者は、現場ではなく検査の場で見つかって良かったと振り返っています[3]。同じ記録にある高圧絶縁手袋・高圧絶縁長靴・高低圧検電器・ヘルメットは、いずれも合格でした[3]。
別の技術者は、普段使っているゴム手袋の耐圧試験には問題がなかったと話しています[14]。ところが手袋の表面が粉状になってきており、一緒に検査していた仲間から状態がよくないと指摘されました[14]。指摘を受けた技術者は買い替えを考えており、試験の数値だけで判断していない例です[14]。
ある技術者は、自社の耐圧試験で不良だった絶縁シートを買い替え、シートと高圧ゴム長靴を追加しました[15]。同じ技術者には、ケーブル耐圧試験を請け負ったときに保護具・防具の試験記録まで提出を求められた経験があります[15]。そのため、買い替えや追加をすぐ試験記録に書き加えています[15]。
検電器を何年で買い替えたか、校正と買い替えのどちらを選んだかを示す記録は、参照した資料にありません。絶縁用保護具や活線作業用器具には、製造者名・製造年月・使用対象の電路電圧の表示が求められています[8]。検電器の更新時期は、メーカーの推奨と日常の点検結果をもとに、有資格者の判断で決めてください。
預ける間の空白をどう縮めるか
校正を受託している技術者は、依頼側の負担を三つ挙げています[13]。校正会社へ送るための梱包、発送と回収の手配、手元に戻るまでの待ち時間です[13]。受託者は依頼側の負担を減らすことを狙い、1回の訪問で校正を完了させています[13]。
機材を持ち込んでもらった例では、校正が思ったより短時間で終わりました[16]。依頼者は、持ち込みでできて安いので助かると話しています[16]。遠方から機材を送ってもらう依頼もあり、受託者は重量物の再梱包に使う資材を準備すべきだと考えています[17]。
校正する側も、常に依頼を受けられるわけではありません[18]。ある受託者は自分の標準計器を校正会社へ発送し、機材が戻る3月中旬ごろまで依頼を受けられないと告知しました[18]。機材が手元を離れる期間は、依頼側にも受託側にも生じます[13][18]。一般に、耐圧試験や点検の予定と依頼先の受付状況を確かめてから出す時期を決めます。
どの機材をいつ出すか、その間の作業をどう組むかは現場の予定と設備の事情で変わります。停電作業や試験の段取りは、手順書と有資格者の判断で決めてください。
依頼前に確かめる 校正証明書と校正シール、見てもらえる範囲
耐圧試験を控えた技術者から校正依頼を受けた受託者は、校正証明書を求められる場面の経験を書いています[19]。書類の提出に加えて、立会者が試験中に試験器本体の校正シールを確かめてくることがあるそうです[19]。シールが無いと指摘を受けるおそれがあるため、受託者はシールの有無を重視しています[19]。校正済ラベルは、受託者が自分で作成しています[19]。
初めて扱う機種では、受託者が校正試験の書式ひな形を新しく作りました[16]。太陽光パネルの高電圧測定では、クランプメータと直流高電圧プローブを合わせて使う専用モードまで校正した例があります[17]。受託例に並ぶ機材は試験装置・絶縁抵抗計・接地抵抗計・クランプメータなどで、検電器は見当たりません[13][16][17]。
校正には測れる範囲の限界もあります[20]。海外メーカー製と思われる直流200kVの電源が持ち込まれた例があります[20]。受託者の高電圧計で実測できるのは、交流20kV・直流30kVまででした[20]。そのため受託者は出力電圧そのものを測らず、計器の表示値に対応する計測用の電圧出力をデジタルマルチメータで測りました[20]。確認できたのは分圧器の精度までです[20]。
一般に、校正できる範囲は依頼先が持つ標準器の上限に左右されます。検電器の反応電圧まで見てもらえるか、どの項目をどこまで扱うかを依頼前に確かめてください。
現場で確かめること
- 手持ちの検電器が反応し始める電圧と検知範囲を仕様で把握しているか[4][9][5]
- 伸縮式の検電器を、取扱説明書どおりの長さと握り方で使っているか[9]
- 使用前の点検と定期の点検を、どちらも手順書に定めているか[1]
- 検電器を定期的に点検し、性能を維持しているか[1]
- 長く使わない検電器から電池を抜き、交換時は全数を新品にしているか[11]
- 試験器の校正済シールの有無と、校正周期の根拠を説明できるか[19][12]
実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。
よくある質問
Q.検電器の校正は必要ですか
A.検電器具は定期的に点検して性能を保ち、使う前にも必ず点検するよう定めた基準があります[1]。絶縁用保護具等には6か月以内ごとの自主検査が挙がっていますが、検電器が対象に含まれるかは参照した資料に示されていません[2]。周期と方法は、メーカーの基準と現場の手順書、有資格者の判断に従って決めてください。
Q.検電器の校正と耐圧試験は同じものですか
A.一般に、耐圧試験は絶縁が試験電圧に耐えるかの確認で、検電部がどの電圧で反応するかの確認とは見ている性能が異なります。反応し始める電圧は機種ごとに仕様で示されています[4][5]。直流耐圧試験の前に、検電器の抵抗値を測って仕様どおりか確かめた技術者もいます[4]。
Q.検電器の耐圧試験は何kVを何分掛けますか
A.検電器に掛ける試験電圧と時間を示した記録は参照した資料に無いため、メーカーの基準と現場の手順書で確認してください。参考として、活線作業用器具の規格は使用対象の電路電圧の2倍に5分間耐える性能を求め、支持物の絶縁を点検する器具は1分間です[8]。検電器が活線作業用器具の区分に当たるかは参照した資料に示されておらず、別の資料は検電器を検出用具に分類しています[2]。
Q.検電器の校正は何年ごとに行いますか
A.検電器そのものの校正周期を示した記録は、参照した資料にありません。絶縁用保護具等には6か月以内ごとの自主検査が挙がっていますが、検電器が対象に含まれるかは参照した資料に示されていません[2]。試験器では、確度保証期間を根拠に絶縁抵抗計を1年周期で校正している例があります[12]。
Q.検電器が反応しないのはどんなときですか
A.低圧CVケーブルの被覆部分や、高圧CVケーブルでシールドが接地されている部分では、高圧検電器が反応しません[9]。伸縮式の製品を伸ばしたまま低圧に当てた場合や、握りが浅い場合にも反応しないことがあります[9]。反応しないことをもって停電と決めつけず、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
Q.検電器の電池はどう管理すればよいですか
A.長く使わないときは、検電器から電池を抜いておくよう勧める記録があります[11]。電池を入れたままだとわずかに電気を消費し続け、液漏れで本体が壊れるおそれもあります[11]。交換は一部だけでなく全数を新品にそろえ、10〜25℃程度で高温多湿を避けて保管します[11]。
Q.校正に出すとどのくらい戻ってきませんか
A.校正を受託している技術者が自分の標準計器を校正会社へ発送した例では、機材が戻る見込みは3月中旬ごろでした[18]。発送は2月下旬で、戻るまでの間は依頼を受けられないと告知されています[18]。一方、持ち込みや訪問で対応する場合は1回で完了し、思ったより短時間で終わった例もあります[13][16]。
Q.耐圧試験用の高圧リアクトルも校正が必要ですか
A.何件も耐圧試験を請け負ってきたが校正を求められたことがなく、正常に使えれば不要と考える技術者がいます[13]。一方、耐圧試験の場では立会者が試験器の校正シールまで確かめることがあるそうです[19]。器具の性質や立会者の要求で扱いが変わるため、現場や設備によって判断が分かれます[19][13]。
Q.検査に通った保護具や検電器を買い替えることはありますか
A.ゴム手袋の耐圧試験には問題がなかったものの、表面が粉状になったことを仲間に指摘され、買い替えを考えた技術者がいます[14]。検電器を何年で買い替えたかを示す記録は、参照した資料にありません。更新時期は、メーカーの推奨と現場の手順書、有資格者の判断に基づいて決めてください。
出典(このページのもとにした記事・動画)
本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。
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- [2]停電・活線作業安全用具佐近電気管理事務所
- [3]労働安全衛生規則 第351条第1項(絶縁用保護具等の定期自主検査)について小川電気管理事務所 / 2024年6月27日
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