日中に発電している太陽光パネルを測るなら、PVモードを備えた専用の絶縁抵抗計が必要です[1][2]。普通のメガーは発電電圧の影響で測定値が狂い、メガー本体が壊れる可能性もあります[3]。パネルが発電していない夜間であれば、普通のメガーでも測定できます[3]。直流の高い電圧を扱う作業のため、実施は現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
普通のメガーで測れる場面、測れない場面
一般に、メガーは絶縁抵抗計の通称です。ある技術者は、日中にパネルを測るには専用の測定器が要ると説明しています[1]。別の技術者も、PVモードのある測定器を使うよう呼びかけています[2]。夜間を除き、パネルには直流電圧が常にかかっているためです[2]。
普通のメガーをPとNを短絡せずに当てると、発電電圧が測定値に影響します[3]。発電電圧がメガーに加わり、メガー本体を壊す可能性もあります[3]。N側が地絡したストリングでP側を測ると、発電電流がメガーへ流れ込みます[3]。流れ込んだ電流が加算されるため、測定値は実際より小さく出て信用できません[3]。
普通のメガーを使える場面は、パネルが発電していない夜間です[3]。夜間にPとNを短絡した状態で測れば、測定誤差は生じません[3]。日中に短絡する方法は、短絡用の開閉器が要るうえにアークが出ます[3]。故障したパネルがあると発熱して火災につながる場合もあります[3]。短絡作業を行うかどうかは、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
PVメガーの仕組みと電圧レンジの選び方
PVメガーは、発電中でもPとNを短絡せずに測れる絶縁抵抗計です[3]。PVメガーは測定を始めると、パネルの電圧と電流を計ります[3]。同時に、メガーから電圧をかけた後の電圧と電流も計ります[3]。PVメガーは二つの計測結果を演算し、パネルの影響を除いた抵抗値を出します[3]。演算で補正するため、絶縁が劣化した位置に左右されず測定できます[3]。
PVモードのレンジは、測定する回路の電圧を上回る側を選びます[1]。ある技術者は、開放電圧49.05Vのパネルを18直列にした882.9Vの回路を例に挙げています[1]。882.9Vの回路は、PVモードの1000Vレンジで測ります[1]。
機種を選ぶときは、測れる回路電圧の上限を確かめます[1][3]。ある技術者が紹介した主要3機種は、1000V未満の回路までしか測れません[1]。1000Vを超える回路には、2000Vまで測れる国内メーカーの機種があります[1]。CATⅢ600Vまでの測定器をDC600V以上のPVに当てると、測定器が故障する可能性があります[3]。
接続箱・パワコンでの測定手順
ある技術者は、接続箱での準備を次の順番でまとめています[3]。最初に接続箱の主開閉器を切り、パワーコンディショナーとの接続を断ちます[3]。次に、全ストリングの断路器を開放します[3]。測定回路に避雷器がある場合は、避雷器も回路から外します[3]。実際の操作順は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
測定の前に、PとNへプローブを当てて開放電圧と極性を確かめます[3]。ある技術者は、P側とアース間を先に測り、N側とアース間を後にする順番を示しています[2]。P側の絶縁に問題がないと確かめてから、N側を測る考え方です[2]。不良パネルのある回路をN側から測ると、パネルが壊れる可能性があるためです[2]。絶縁が悪い回路のN側測定は、バイパスダイオードを傷めるおそれもあります[3]。
事業用の発電所では、直流700Vや1000Vといった電圧も珍しくありません[2]。ある技術者は、絶縁手袋とアーク防止面付きヘルメットの準備を勧めています[2]。PとNを短絡させると火災の原因になるという注意もあります[1]。保護具の選定と作業の進め方は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
パワコン側へ電圧をかける試験には、別の注意が要ります[4]。耐圧試験では、パワコンを切り離してから印加するようある技術者が注意しています[4]。パワコン内部のSPDなどに電圧の許容値があるためです[4]。正極での印加をメーカーから指示され、正極性の試験器を使った技術者もいます[5]。
年次点検で1回路だけ0.1MΩだった現場の実例
使用開始から12年の太陽光発電所で、ある技術者が年次点検を行いました[6]。技術者は接続箱のアレスタを外さず、集電箱から直流回路を測りました[6]。ほとんどの回路は2〜3MΩでしたが、1回路だけ0.1MΩと低い値でした[6]。
技術者は値の低い回路の接続箱へ行き、接続箱で測り直しました[6]。測り直した結果、最も低い回路でも0.4MΩを超えていました[6]。技術者は絶縁不良とは判定しませんでした[6]。ただし前年からパネル1枚が破損したままで、絶縁抵抗も下がっています[6]。技術者はパネルの交換を改めて進言しました[6]。
同じ技術者は、雨が降ったりやんだりの日にも年次点検を行っています[7]。出先の接続箱にバリスタがあり、バリスタを外さないと絶縁抵抗値は低く出ます[7]。技術者は極端に低くなければ良いと割り切り、P側だけを測りました[7]。
技術者は、湿っている日の判定について自分の運用を書いています[7]。測定値が低くても全回路が同程度であれば、技術基準の管理値だけで不良とせず要経過観察とするときもあるという内容です[7]。技術者個人の運用であり一般的な判定基準ではないため、判定は現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。技術者は極端に低い回路だけ接続箱の中を確認しました[7]。確認した回路は、次回の月次点検で再び見る考えです[7]。
判定値の見方と、現場で判断が分かれる点
ある技術者は、300Vを超える回路の判定基準を0.4MΩと示しています[1]。同じ技術者は、0.4MΩは最低基準であり竣工時は100MΩ以上が理想とも書いています[1]。
避雷器やバリスタの扱いは、資料によって違います[3][7][6]。手順をまとめた技術者は、避雷器を測定回路から切り離すとしています[3]。年次点検を記録した技術者は、アレスタを付けたまま測って値の傾向を見ています[7][6]。避雷器を外すかどうかは、現場や設備によって判断が分かれます。
PCSからパネルまでを活線のまま一括で測れる測定器もあります[8]。ある技術者は、規模の大きい発電所では一括の測定値がかなり低くなりそうだと見ています[8]。年次点検では、従来型のメガーで回路を分けて測る方が確実かもしれないという意見です[8]。日常点検で定期的に測れば、絶縁抵抗値の傾向をつかめる利点もあります[8]。一括測定と分割測定の使い分けも、現場や設備によって判断が分かれます。
現場で確かめること
- 測定器にPVモードがあり、回路電圧が測定器の定格内か[1][3]
- 測定前に開放電圧と極性を確かめたか[3]
- P側の絶縁を確かめてからN側を測る順番か[2]
- 避雷器・バリスタを外すか、付けたまま測るかを決めたか[3][7]
- パワコンへ試験電圧がかからない状態か[4]
- 絶縁手袋とアーク防止面を用意したか[2]
実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。
よくある質問
Q.夜間なら普通のメガーで太陽光パネルを測れますか
A.パネルが発電していない夜間であれば、普通のメガーで測定できます[3]。PとNを短絡した状態で測ると、測定誤差は生じません[3]。曇りの日も少し発電しているため、曇天は夜間と同じに扱えません[4]。
Q.PVモードは500Vと1000Vのどちらで測りますか
A.測定する回路の電圧を上回るレンジを選びます[1]。開放電圧49.05Vのパネル18直列は882.9Vなので、1000Vレンジで測ります[1]。
出典(このページのもとにした記事・動画)
本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。
- [1]太陽光パネルの絶縁抵抗測定方法とは保安電気管理 / 2025年4月8日
- [2]【初心者】太陽光モジュールの絶縁抵抗測定についてゆうじの「電気保安の学校」(YouTube) / 2024年5月15日
- [3]太陽光パネルの絶縁抵抗測定、PVメガーの原理・仕組みでんきメモ (memo-labo) / 2025年1月1日
- [4]太陽光電池モジュールの直流耐圧試験方法について保安電気管理 / 2025年4月8日
- [5]今回の直流絶縁耐力試験はメーカー指示による正極性にて実施する電気管理技術者の交流掲示板 / 2023年12月6日
- [6]太陽光発電所の年次点検で絶縁低下とある電気管理の位相 / 2025年9月23日
- [7]雨の日の太陽光パネル絶縁抵抗測定とある電気管理の位相 / 2026年10月2日
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