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過電流継電器の記号はOCR|瞬時要素50の意味と図面・銘板での読み方

更新 2026年10月14日(公開 2026年10月1日)出典 18件(うち動画 3本)サイト監修:本田電気管理事務所
結論

過電流継電器の記号は、図面ではOCRと書かれます[1]。内部には限時要素と瞬時要素があり、瞬時要素は番号50、記号I>>>で表されます[2][1]。限時要素のタップは、契約電力から求めた負荷電流の150%程度を目安に整定します[2]。点検では、限時要素と瞬時要素のそれぞれで最小動作電流と動作時間を測り、遮断器が連動して開くかも確かめます[3][4]。

過電流継電器の記号:OCRと番号50の意味

OCRはオーバーカレントリレーの略で、図面上の過電流継電器はOCRと表記されます[1]。短絡や過負荷で流れる過電流を検出して動作する継電器を指します[1]。動作要素は限時要素と瞬時要素の2つで、どちらが動いたかは継電器の動作表示で区別できます[1]。瞬時要素には番号50、記号I>>>が割り当てられています[2]。

一般に、限時要素にも別のデバイス番号が割り当てられているので、単線結線図の凡例や記号表で確かめてください。一般に、番号に添える英字の補助記号は図面の作成者によって使い方が異なるため、凡例を先に読むと誤読を防げます。

限時要素の特性は、超反限時がEI、強反限時がVI、反限時がNIの略号で示されます[2][5]。時間整定の目盛は「ダイヤル」のほか「レバー」とも呼ばれます[6]。ある技術者は、昔の名残でレバーと言ってしまうと書いています[6]。

OCR本体の銘板や内部回路には、端子の記号も書かれています[7]。ある銘板の内部回路では、電流回路の端子がC1とC2でした[7]。OCRが動作すると、電流は引き外しコイル側へ切り替わる構成です[7]。別の技術者の記録では、a1-a2が警報用接点、T1-T2が電圧引き外し形のトリップ用接点として出てきます[8][9]。一般に、端子記号は機種で異なるため、銘板と取扱説明書で確かめてください。

単線結線図とキュービクルの銘板での見分け方

単線結線図では、高圧電路のCTが電流を扱いやすい大きさに変換しています[1]。二次側の定格は5Aが一般的です[1]。たとえばCT比100/5なら、一次側に100Aが流れると二次側は5Aで、電流計は100Aを指します[1]。

電流はCTを出て、CTTからOCRへ進みます[1]。続いて電力計・力率計と電流計切替開閉器を通り、電流計を経てCTへ戻ります[1]。電流計切替開閉器はASと略されます[3][1]。

銘板の一例では、限時要素を3〜8A、瞬時要素を20〜80Aの範囲でタップを差し替えて整定できました[7]。銘板には時限ダイヤル10の特性図と内部回路が載っていて、内部回路の図から電流引き外し形と判別できます[7]。電流引き外し形では、通常時の電流はC1からC2へ流れます[7]。OCRが動作すると、電流は引き外しコイルを経てC2へ流れます[7]。静止形が主流ですが、誘導円盤形もまだ残っています[1]。

整定つまみは、目盛と目盛の中間に合わせると整定値が不定になります[9]。周波数の設定をディップスイッチで行う機種もあり、スイッチが小さく見えにくいことが多いです[9]。周波数の設定が違っていると、動作値がわずかにずれます[9]。

CTTがOCRより下流に付いている盤もあります[10]。ある技術者の記録では、東芝の保護継電器Nシリーズ付きの盤でよく見かけ、三菱製でもまれにあるそうです[10]。CTTがOCRより下流にあると、CTTで回路を切ってもCT二次側とOCRを分離できません[10]。試験の前に、図面と実際の配線順を照合しておくと安心です。

限時要素と瞬時要素の違い

限時要素は反限時特性を持ち、電流が大きいほど短い時間で動作します[1]。特性には超反限時(EI)・強反限時(VI)・反限時(NI)の種類があります[2][5]。たとえば3A整定・ダイヤル10の超反限時なら、公称の動作時間は300%で10秒、700%で1.67秒です[5]。

瞬時要素は短絡のような大電流で働きます[11]。限時要素より大きな値に整定でき、大半は約50msで動作します[11]。整定の目安は資料によって違います。変圧器容量から求めた電流の1000〜1500%とする説明がある一方[2]、通常使用する最大電流の500〜1500%とする説明もあり[1]、現場や設備によって判断が分かれます。

需要家のOCRは、電力会社側より早く動作させる必要があるとされています[2]。協調を誤ると、配電用変電所の遮断器が先に開いて地域停電につながるおそれがあります[2]。

短絡容量が小さく協調が取りにくい現場では、瞬時要素の3段整定が役立つとされます[12]。ある技術者の記録では、CT一次250Aの設備で末端の2相短絡電流758Aを保護するため、3段80%で整定しています[13]。

別の記録では、整定に慣れるため、あえて瞬時要素を30A・3段80%に整定しています[12]。記録した技術者は、整定値の200%で0.05秒以下、130%で0.09秒以下の動作を確かめました[12]。整定値の90%でも、0.3秒以下で動作することを確かめています[12]。3つの値は、30A・3段80%という整定で確かめた一例です[12]。一般に、3段整定は対応機種に限られる機能で、記録の値は瞬時要素全般の判定値ではありません。

限時タップとダイヤルの整定値の決め方と計算例

限時要素のタップは、通常の負荷変動では動作しない値に整定します[2]。目安は、契約電力から求めた負荷電流の150%程度です[2]。計算では、契約電力の電流値をCT比で二次側に換算し、1.5を掛けます[2]。

契約電力200kW、受電CT比30/5の計算例では、計算値が4.4Aになります[2]。タップは、4.4Aを上回る値のうち最も小さい5Aを選びます[2]。

ダイヤルの整定は、電力会社側との協調を取って決めます[2]。配電線のOCRより速く動作する設定なら、保護協調が取れます[2]。OCRの整定値は、電力会社と協議して決める値です[9]。需要家側の都合だけで変更することはできません[9]。

瞬時要素は、変圧器の励磁突入電流で動かず、短絡電流で動く値に整定します[2]。ある技術者の記録は、停電点検後にVCBを投入する場面を取り上げています[9]。投入時の励磁突入電流で瞬時要素が動作し、VCBが開くという内容です[9]。整定値の変更は波及事故に関わるため、電力会社との協議と有資格者の判断に従ってください。

試験のためにダイヤルを変えた場合は、戻し忘れに注意が必要です[14]。運用値が1のダイヤルを10のまま残すと保護協調が取れず、過負荷のときに配電側のOCRが先に動作するおそれがあります[14]。ある技術者は、瞬時要素をロックしたまま戻し忘れる失敗を最悪の例に挙げています[14]。稼働中に整定を変えると、不要動作のおそれがあります[9]。変更の要否と手順は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

誘導円盤形と静止形の違い、誤動作と不具合の例

誘導円盤形は、鉄心が作る移動磁界と円盤の渦電流の作用で円盤が回ります[15]。円盤の軸に付いた可動接点が固定接点に触れると、OCRが動作します[15]。1990年頃までの保護継電器は、多くが誘導円盤形でした[15]。国内の各メーカーは、誘導円盤形の過電流継電器の生産をすでに終えています[15]。

誘導円盤形は振動に弱く、地震や盤扉の開閉で誤動作するおそれがあります[15]。バネの経年劣化や温度、傾きの影響で誤差が出やすく、接点や円盤の錆も起こります[15]。遮断器1台に対してR相用とT相用の2個が必要な点も、静止形との違いです[15]。

静止形には円盤のような可動部がなく、電子回路で動作を制御します[15]。振動の影響を受けず、可動部の劣化も起きません[15]。1990年頃からは、静止形が保護継電器の主流になっています[15]。静止形は性能や保守などの面で優位と評価されています[15]。更新を勧めるかどうかは、設置者や主任技術者と協議して決めてください。

ある技術者の記録には、誘導円盤形の試験中に円盤が回らなくなった例があります[16]。整定値付近では回っていた円盤が、200%や300%を試そうとしたときに異音のあと動かなくなりました[16]。古い機種には動作時間の計算式がなく、特性曲線から読み取るしかない場合があります[16]。試験者が理論上の動作時間を把握していないと、電流を流し続けて継電器を壊すおそれがあります[16]。

同じ記録は、対処として入力部C1・C2間の導通をテスターで確かめる方法を示しています[16]。C1・C2間が断線しているとCT二次側に高電圧が出るおそれがあり、危険です[16]。故障後の処置は断定せず、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

試験で確かめる項目と判定の目安

最小動作電流の試験では、タップ値の9割程度まで一気に電流を上げ、そこから少しずつ増やして動作した値を読みます[3]。判定は、限時要素が整定値の±10%以内[11][3][17]、瞬時要素が±15%以内です[4][5][17]。

動作時間は、限時要素を300%と700%で、瞬時要素を200%で測ります[3][4][5]。瞬時要素は0.05秒以下なら良と判定します[4][5]。許容誤差はメーカーで異なります[11]。オムロン製の形K2OCでは、300%で公称値の±17%、700%で±12%です[5]。三菱のMOC-A1V-Rを例にした解説では、超反限時の300%が10秒±5%、700%が1.67秒±7%と紹介されています[11]。

判定には、必ず試験する機種の取扱説明書の値を使ってください。

瞬時要素を試験するときは、限時要素をロックするか、円盤の回転を押さえておきます[4]。ロックや押さえがないと、限時要素が先に動作してしまいます[4]。電流をゆっくり上げると、内部の発熱やコイル焼損、接点溶着の原因になります[11][4]。限時要素ではVCBが開くのに瞬時要素では開かない場合は、瞬時要素の故障と判断されています[4]。

ある事務所では、竣工検査でダイヤル10と実際の整定ダイヤルの両方を試験しています[6]。以降の年次点検では整定ダイヤルだけを測り、前回値と大きくずれていなければ良としています[6]。参考値をわずかに外れた程度では、不良と判断しないという考え方です[6]。

現場の実例:試験記録と想定外の配線

研修用の試験記録では、測定の前に電流回路を確認しています[3]。CT比75/5の場合、1Aを流すと電流計が15Aを指すかを相ごとに見る手順です[3]。確認後は電流計切替開閉器を切にして、負担の差をなくし、電流計に過大な入力がかからないようにしていました[3]。

結果は、最小動作電流が赤相・青相とも3.0Aで良でした[3]。動作時間は300%で117〜118サイクル、700%で21サイクルです[3]。700%の21Aは瞬時整定の20Aを超えるため、測定中は瞬時要素をロックしていました[3]。

別の現場では、電圧引き外し形のVCBに電流引き外し形のOCRが組み合わされ、警報用のa1-a2接点がトリップ回路に使われていました[8][18]。引き外し用と警報用では接点容量が違い、溶着するおそれがあります[8]。本来の組み合わせは、電圧引き外し形のVCBに電圧引き外し形のOCRです[8]。改修は設置者・メーカー・主任技術者と協議して決めてください。

警報用接点を使った配線でも、単体試験と連動試験は問題なく通ってしまいます[18]。試験が通るぶん見落としやすい点に、注意が必要です[18]。記録した技術者は、更新を勧めるなら何が問題かを具体的に説明できる必要があるとしています[18]。

CTTが無い盤で、配線を外さずにCT二次側のk・l端子から電流を流して試験した記録もあります[10]。ただし、k・l端子から流す方法ではCT一次側に電圧が出るおそれがあります[10]。対策としてVCB二次側で3相短絡・接地する案は、記録した技術者の個人的な予想です[10]。停電・検電・接地を含む作業の可否や手順は、断定せず、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

現場で確かめること

  • 単線結線図の凡例で、OCRや番号50などの記号が何を指すか確かめる
  • 銘板で限時・瞬時のタップ範囲、特性の種類、引き外し方式を確認する
  • CTTとOCRの接続順が図面どおりかを見る
  • 限時タップとダイヤルが、電力会社と協議した整定値どおりか確かめる
  • 判定値はメーカーの取扱説明書で確認し、前回の記録と比べる
  • 試験後に、ダイヤルと瞬時要素のロックを元へ戻したか確かめる

実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。

よくある質問

Q.過電流継電器の記号は図面でどう書かれますか?

A.図面ではOCRと表記されます[1]。OCRはオーバーカレントリレーの略で、限時要素と瞬時要素の2つの動作要素を持ちます[1]。

Q.過電流継電器の瞬時要素の番号と記号は何ですか?

A.瞬時要素は番号50、記号I>>>で表されます[2]。短絡のような大電流で働き、大半は約50msで動作します[11]。

Q.限時タップの整定値はどう計算しますか?

A.契約電力の電流値をCT比で二次側に換算し、150%程度を掛けて求めます[2]。契約電力200kW・CT比30/5の例では計算値が4.4Aで、タップは5Aを選びます[2]。

Q.誘導円盤形の過電流継電器にはどんな弱点がありますか?

A.誘導円盤形は振動に弱く、地震や盤扉の開閉で誤動作するおそれがあります[15]。バネの経年劣化や錆で誤差が出やすく、国内では生産も終わっています[15]。

Q.最小動作電流の判定基準はどのくらいですか?

A.限時要素は整定値の±10%以内[11][3][17]、瞬時要素は±15%以内が目安です[4][5][17]。

Q.瞬時要素の試験で限時要素をロックするのはなぜですか?

A.ロックしないと限時要素が先に動作し、瞬時要素の値を測れないためです[4]。また、電流をゆっくり上げると内部の発熱や接点溶着の原因になるので、素早く上げて測ります[11][4]。

Q.年次点検では時限ダイヤル10でも試験が必要ですか?

A.ある事務所では、竣工検査でダイヤル10と整定ダイヤルの両方を測っています[6]。以降の年次点検は整定ダイヤルだけを測り、前回値と比べて判定しています[6]。使用前自主検査ではダイヤル10で300%と700%を測る、という記録もあります[3]。

出典(このページのもとにした記事・動画)

本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。

  1. [1]過電流継電器1ぽんぽんタイガー(YouTube) / 2016年7月23日
  2. [2]OCR 過電流継電器とは?動作原理、目的、試験方法、整定値でんきメモ (memo-labo) / 2023年4月1日
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