現場の記事から作った解説

感電事故はどんな作業で起きるか 現場の実例と防ぎ方

公開 2026年10月3日出典 10件(うち動画 2本)サイト監修:本田電気管理事務所
結論

感電事故は、設備の一部が充電されたままなのに作業者がその範囲を把握できていない場面や、手元に集中して近くの充電部を忘れた瞬間に起きやすいとされています[1][2]。現役技術者の記録には、停電していると思い込んで充電中の高圧回路に絶縁抵抗計を当てた例や、雨で濡れたまま試験器を操作して感電した例があります[3][4]。実際の作業は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

感電事故が起きやすい作業とタイミング

ある技術者の整理では、まず充電中のキュービクルでの作業が挙げられています[1]。前面で通線作業をしていて肘が低圧ブスバーに触れた死亡例や、変圧器・コンデンサの銘板を確認、撮影しようと近づいて頭や体が充電部に触れた例です[1]。絶縁監視装置やZCTの脱着でも、手元ばかり見ていて頭や体が触れるおそれがあるとされています[1]。

次に、一部が活線のまま行う機器交換や年次点検です[1]。どこまでが充電中かが作業員全員に伝わっておらず、充電部への立入禁止の区画表示も無かったという状況が挙げられています[1]。

復電時の連絡ミスも典型です[1]。待機するはずの作業員が電気室からの連絡を待たずにUGSを入れた例や、PASを入れたら主変電所のVCBが自動投入され、第2・第3変電所まで連絡なしに送電された例があり、そこが作業中なら感電していたと振り返られています[1]。

体調や姿勢も要因になります[1]。開放型電気室で座って作業中に後ろへ転がり頭が高圧充電部に当たりかけた、立ちくらみやひざの痛みで手をついた先が充電部だった、という場面です[1]。強い口調で活線作業を命じる先輩のもとで、慌てた見習いが事故に遭う危険も指摘されています[1]。

実例 停電と思い込んで充電中の高圧回路にメガーを当てた

ある技術者は若い頃、工場の休日に行われた変圧器入れ替え工事に、耐圧試験のため午後から合流しました[3]。午前の停電操作は工事会社に任せており、工事が長引いて待ち時間ができたため、ついでに年次点検の絶縁抵抗測定も済ませようと考えたそうです[3]。

高圧回路に絶縁抵抗計を当てようとした瞬間、鈍いアーク音がして、先端が充電部に触れるか触れないかのところで青白い炎が出ました[3]。構内は全停電だと思い込んでいましたが、工事会社は工事箇所だけを止める一部停電で作業していたのです[3]。

アース側を接続していたため電流は測定器を通って大地へ抜け、本人は感電しませんでしたが、1000Vの絶縁抵抗計は壊れ、電力会社から地絡検出について問い合わせが入りました[3]。この技術者は、作業前に停電範囲を確かめることと、検電を習慣にすることを勧めています[3]。

実例 準備作業中のヒヤリハットと試験器での感電

別の技術者は応援先で、停電点検に備えてVCBを先に開放したあと、OCR試験の準備を指示されました[2]。トリップ線をVCBの端子につなごうと手を伸ばし、寸前で一次側が活線だと思い出したそうです[2]。VCBを開くと変圧器の励磁音も消えるので危険だとし、停電前の準備作業はやめると決めています[2]。

太陽光発電所の年次点検では、雨の中でシートを張らずに作業し、キュービクル内に置いた保護継電器試験器からOVGR試験のため350V程度を出力したところ感電した例があります[4]。体と手袋が濡れていたうえ、試験器のボディアースを取っておらず、誘導で筐体が充電されたことが原因とされています[4]。アースを接続して再試験すると問題なく終わりました[4]。

復電前の確認と人員体制

工事を伴う停電点検で、主任技術者が工事の進み具合を確かめずにPASを入れ、工事会社が付けていた短絡接地器具が残っていて波及事故になった事例があります[5]。この記録は、もし接地が無い状態で連絡なしに復電していれば感電死傷事故になり得たとも指摘しています[5]。

対策としては、チェックリストに沿った行動、設置者や工事会社との打ち合わせ、復電前の一括絶縁抵抗測定が挙げられています[5]。PASの操作紐に投入前の再確認を促す札を付ける工夫や、接地器具に点滅するLED表示灯を付ける工夫も紹介されています[6][7]。

人員については、PASやVCBの操作は最低2人で行うという考えがある一方[5]、応援の都合がつかず、対策を重ねたうえで一人で年次点検を行った記録もあります[7]。ただし後者も、所属協会は複数人での実施を指導しており例年は2名体制だと述べています[7]。資料の範囲では複数人での実施が原則とされています。所属組織の基準と有資格者の判断に従ってください。

保護具と標識で充電部との間に備えを置く

一般に、保護具は作業者が身に着けるもの、防具は電路や設備の側に取り付けるものを指します。ある資料は、活線・活線近接作業や停電作業では安全用具を確実に使うよう求め、検電器、短絡接地金具、区画ロープ、標識板などを例に挙げています[8]。

高圧ゴム手袋を使う場面として、高圧検電器での検電、ジスコンの開閉、活線状態でのLBS開放、無電圧確認後に放電棒で放電するときなどが挙げられています[9]。外側の保護手袋を付けないと金具に引っかけて穴が空きやすく、傷が付いたら使えないとの指摘もあります[9][10]。使用の可否は定期の自主検査と現場の基準で判断してください[9]。

現場で確かめること

  • 作業前に、どこからどこまでが充電中かを全員で確認したか
  • 充電部に区画ロープや標識板で立入禁止の表示をしたか
  • 思い込みで触れず、測定や接続の前に検電したか
  • 試験器のアース接続と、体や手袋の濡れを確かめたか
  • 復電前に短絡接地の取り外しと他の作業者の退避・連絡を確認したか
  • 体調不良や足元の悪さなど、転倒につながる要因がないか

実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。

よくある質問

Q.低圧でも感電死亡事故は起きますか

A.キュービクル前面で通線作業をしていて、肘が低圧ブスバーに触れて亡くなった例が挙げられています[1]。試験器から350V程度を出力した際に、体と手袋が濡れたまま、試験器のボディアースを接続せずに操作して感電した記録もあります[4]。低圧だからと油断せず、現場の手順書に従ってください。

Q.年次点検は一人で行ってもよいですか

A.PASやVCBの操作は最低2人でという考えがある一方[5]、やむを得ず一人で行い、表示札やチェック表で対策を重ねた記録もあります[7]。その記録でも、協会は複数人での実施を指導しており例年は2名体制だと述べています[7]。資料の範囲では複数人での実施が原則で、一人での実施は例外的な対応として記録されています。所属組織の基準に従ってください。

Q.短絡接地器具の外し忘れはどう防ぎますか

A.PAS操作紐に投入前確認の札を付ける、接地器具に点滅するLEDを付ける、操作手順のチェック表を貼るといった工夫が紹介されています[6][7]。復電前に受電設備一括で絶縁抵抗を測り、接地が残っていないか確かめる方法もあります[5]。

Q.高圧ゴム手袋はどんなときに使いますか

A.高圧検電器での検電、ジスコンの投入・開放、活線状態でのLBS開放、耐圧試験時の検電、無電圧確認後の放電操作などが挙げられています[9]。紫外線で変色するため、車内にむき出しで置かないよう注意されています[9]。

出典(このページのもとにした記事・動画)

本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。

  1. [1]感電事故が起こりやすいタイミングでんきメモ (memo-labo)
  2. [2]~~~~【呼び出し】と【不具合】~~~~ : 野生の電気主任技術者の日常野生の電気主任技術者の日常 / 2023年8月29日
  3. [3]電気管理技術者に1番大切なことゆうじの「電気保安の学校」(YouTube) / 2024年9月16日
  4. [4]【注意喚起!】保護継電器試験器で感電とある電気管理の位相 / 2026年3月27日
  5. [5]アースフックの取り外し忘れで復電し短絡事故⇒波及事故でんきメモ (memo-labo)
  6. [6]年次点検時のPASに確認喚起札の取付Denkikanri3y's Blog / 2025年5月25日
  7. [7]ひとり年次点検Denkikanri3y's Blog / 2025年10月22日
  8. [8]停電・活線作業安全用具佐近電気管理事務所
  9. [9]高圧ゴム手袋でんきメモ (memo-labo)
  10. [10]えっ!!持ってないの?「電気保安」絶縁上衣、ゴム長靴「電験三種」早死にしますよ。ゆうじの「電気保安の学校」(YouTube) / 2021年4月27日
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