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三相の漏れ電流の測定方法:3線・4線一括とB種接地線、1mAと前回比の見方

更新 2026年10月15日(公開 2026年9月23日)出典 20件サイト監修:本田電気管理事務所
結論

三相の漏れ電流は、電線を一括で挟むか、B種接地線を挟んで測ります[1]。一括で挟む本数は、三相3線が3本、三相4線が4本です[1][2]。3線一括はその回路の分を、B種接地線は変圧器2次側以降の全体の分を測れます[1]。目安は1mA以下ですが、B種接地線のIoは前回値との差で管理する例があります[1][3]。

3線一括・4線一括とB種接地線では測れる範囲が違う

一般に、三相の各相電流は、絶縁が健全ならベクトル和がほぼ0になります。このため、3線をまとめて挟むと、地絡して戻らない分が差として表示されます。

3線一括で挟むと、R・S・T相を合計した値が漏れ電流になります。B種接地線で挟むと、そのバンクの2次側以降すべての漏れ電流をまとめて確認できます[1]。絶縁不良の箇所を探すときは、まずB種接地線で全体をつかみます。そのあと、変圧器2次側の上流から下流へ3線一括の測定を進め、回路を絞り込む手順が紹介されています[1]。

Y結線で中性点を接地した三相4線の電路では、クランプをB種接地線か4線一括に掛けます[2]。一般に、中性線をクランプに含めずに3線だけを一括で挟むと、中性線を流れる負荷電流が差として表示されます。中性線の結線は外さないでください。

停電点検の際に変圧器二次側のMCCBを全部切ってからB種接地線をクランプすると、変圧器から各MCCBの電源側までに限った漏れ電流を確かめられます[4]。表示が1mA以下なら、絶縁抵抗は100V回路なら0.1MΩ以上、200V回路なら0.2MΩ以上あると見てよい、という考え方が示されています[4]。開放操作や停電の範囲は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

1mA以下という目安の根拠と、停電しにくい回路での見方

絶縁抵抗の測定が難しい低圧電路は、漏えい電流を1mA以下に保ちます[1]。漏えい電流を1mA以下に保つ扱いは、省令に関連する規定として紹介されています[1]。1mAという値は、絶縁抵抗の基準から計算できます[1]。対地電圧100Vを0.1MΩで割ると、0.001Aつまり1mAです[1][5]。

1mAは、人が電撃を感じる最小の電流に当たります[1][6]。電流が1か所に集まって流れても、火災などを起こすおそれがない値とも説明されています[1]。

ただし、基準値は最低限の値であり、普段の値ではありません[6]。主幹がそろって10MΩ以上ある中で、1回路だけ0.12MΩという場合を考えます[6]。ある技術者は、この差に違和感を持つことが保守では重要だと述べています[6]。漏れ電流でも、測定器どうしの差をつかんだうえで、相対的な変化で管理する考え方があります[3]。

Ioに対して抵抗分のIorが一部にとどまる測定例があります[3]。後述の動力バンクでは、Io約27mAに対してIorは約3mAでした[3]。停電せずに絶縁を見る方法には、Ior方式の絶縁監視装置による24時間の漏電監視があります[7]。無停電点検の条件は、地域によって扱いが変わるとされています[7]。停電点検を省けるかどうかは、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

太い幹線を一括で挟めないときと、高圧ケーブルの場合

幹線が太く、3本まとめて挟めないときは、分割して測る方法があります。まずR相とS相を一緒に挟み、次にT相だけを挟みます。ある技術資料では、R相とS相の値からT相の値を引いた差を、漏れ電流とみなす方法が紹介されています[1]。ただし、クランプに表示されるのは正の実効値です。実際の漏れが0mAでも、この測り方では誤差が出る場合があると指摘されています[1]。

一般に、実効値どうしの引き算には位相が反映されず、小さな差は測定誤差に埋もれます。したがって、引き算で得た差は参考値にとどまり、目安に照らした良否の判定には使えません。良否を判定するときは、一括で挟める位置やB種接地線での測定を優先してください。

高圧ケーブルのシースアースを1本ずつ測ると、各相の充電電流が出ます[8]。10m程度の引込ケーブルなら、1線あたり7mA程度が目安です[8]。3線を一括で測ると、正常なら0mAに近い値になります[8]。この一括の値が変化してきたら、どこかの相で絶縁が悪くなっている可能性を考えます[8]。

高圧充電部が近いため注意が必要です[8]。クランプメーターで高圧充電部そのものを測ってはいけません[1]。シースアース線の測定は、高圧充電部に近づかない位置で行えるかを手順書で確かめ、有資格者が実施してください。

高圧ケーブルのシース電流を月次点検で測ることには、別の見方もあります[9]。ある技術者の記録では、健全なシースからアースへ流れるのは静電容量の充電電流で、地絡電流ではありません[9]。その技術者は、瞬時値の測定で地絡を監視するのは難しいと述べています[9]。一方で、普段よりシース電流のアンバランスが大きくなった場合は、シールド銅テープへの浸水を疑う手がかりになります[9]。月次点検でシース電流を測るかどうかは、現場や設備によって判断が分かれます。

IoとIorの違い

一般に、Ioは漏れ電流の全体です。Iorは絶縁抵抗を通る抵抗分、Iocは対地静電容量を通る容量分を指します。

通常のクランプのフィルタは高周波を除くだけで、Iocは除けません[1]。ある技術者がIor測定器を校正した記録では、取扱説明書の位相差(単相90°、三相60°)をもとに仮想のIor50mAとIoc50mAを流して試験しています[10]。

Iorから絶縁抵抗へ換算する例として、200V回路でIorが2mAなら0.1MΩに当たります[2]。Iorが10mAなら0.02MΩで、絶縁不良の可能性が高いとされています[2]。

測定例:Ioは27mAでもIorは3mAだった動力バンク

ある事業場では、動力変圧器のB種接地線を3通りの方法で測っています。クランプメーターのIoは26.7mAでした。Iorリークテスターでは、Io26.9mA・Ior3.3mAでした。絶縁監視装置では、Io27mA・Ior3mAでした[3]。Ioだけを見ると大きく見えますが、抵抗分はその一部です[3]。

この現場では、月次点検でクランプによるIoと、絶縁監視装置のテストボタンで出したIorを確認しています。さらに年2回ほど、Iorテスターの値と比べて記録しています[3]。3つの値がここまでそろうことは珍しく、通常はある程度の差があるそうです[3]。その差の大きさをつかんでおけば、Ioの相対的な変化で管理や警報対応ができるという考え方です[3]。一方で、Ioクランプでは見つけられない不良もあると指摘されています[1]。Ioの推移管理で十分とするか、Iorも定期的に確かめるかは、現場や設備によって判断が分かれます。

Iorは電流と電圧の位相から求めるため、結線や周波数の設定を間違えると正しく測れません。電圧クリップは電線の直線部分に確実に付けます[2]。

三相3線の場合、接触式ではR・S・T、非接触式ではRとTに付ける例があります[2]。三相4線のY結線では、赤をR、白を中性点に付けて測定モードをYに合わせる機種の例があります[2]。別の機種では、Rに赤、Tに黒を付け、切替スイッチで△表示にしてから測ります[11]。クリップの色と接続先は機種で異なるため、取扱説明書に従ってください[2][11]。

B種接地線のIoは絶対値に加えて前回値との差も見る

B種接地線のIoは、1mAを大きく上回る値で推移している現場があります[3][12]。ある事業場の平常値は5mA程度で、別の動力バンクでは約27mAを測っています[3][12]。一般に、B種接地線にはバンク内の全回路の分が集まるため、回路ごとの目安だけでは良否を決めにくくなります。前述の動力バンクの現場では、測定器どうしの差をつかんだうえで、Ioの相対値で管理しています[3]。

記録の付け方では、月次点検と年2回の比較試験を組み合わせる例があります[13]。ある事業場では、毎月の点検で各変圧器のB種接地線のIoをクランプで測ります[13]。Iorは絶縁監視装置の値で管理し、4月と10月にはIorリークテスターの値と比べています[13]。この比較で、絶縁監視装置の値が妥当かを確かめています[13]。

後述の月次点検では、ふだん5mA程度のB種接地線に100〜120mAが流れていました[12]。技術者は回線を追い、原因と見られる機械にたどり着いています[12]。一般に、何mA増えたら回路別の調査に入るかは、設備の平常値や警報設定を踏まえて現場で決めます。測った位置やLPFの設定も記録に残すと、同じ条件で前回値と比べられます。

現場の実例:出たり消えたりする漏れ電流を追う

ある月次点検では、ふだん5mA程度のB種接地線に100〜120mAが流れていました。50秒ほどで収まり、時間をおいてまた漏れることを繰り返していました[12]。回線を追っていくと押出機にたどり着きました。作業者に尋ねると、以前から調子が悪く修理を頼んでいるところだったそうです[12]。

この現場は、受電所から50mほど離れたサブ変電所です[12]。記録の筆者は、無線のタイムラグと絶縁監視装置の30秒遅延設定で発報に至らなかったようだと見ています[12]。

別の事業所では、間欠的な漏電を調べるため、B種接地線にクランプロガーを取り付けました。2秒間隔の記録では、200mA前後の漏電が断続していました。20秒軸で表示すると、約1分間隔で10秒ほど続く漏電のまとまりが、20〜30分おきに現れていました[14]。規則性があるため機器の制御動作が原因と推測し、データを工場の担当者に渡して回路を絞り込む方針にしています[14]。

絶縁監視装置が1000mA超の警報を出した工場の例もあります。到着時も1000mA近く流れていましたが、各回路をクランプで当たっているうちに50mA以下へ戻ってしまいました[15]。変圧器架台の下を調べると、A種接地線とB種接地線がつながっていました。そのため、至急の改修工事を依頼しています[15]。

クランプでは漏れるのに、メガーで見つけにくいときの詰め方

一般に、電磁接触器が開いていると、上流から当てたメガーの電圧は接触器の二次側へ届きません。前述の押出機の例でも、技術者は機械を動かしたときだけ絶縁不良の回路が動くと推測していました[12]。電灯回路でも、器具のない回路はスイッチが切れていると、スイッチから先の電線を測れません[5]。このため、スイッチをすべて入れた状態で測るのが基本です[5]。

ある技術者は、間欠漏電が続いていた事業場の年次点検で、漏電箇所を特定しました[16]。ロガーの記録では、漏電は10〜15分間隔で発生していました[16]。24時間稼働の事業場ですが、稼働を休んだ連休中は漏電が出ていません[16]。技術者は、その間隔で動く機器が原因と考えました[16]。

この点検では、該当する変圧器から給電される制御盤のマグネット回路を、すべてメガーで測っています[16]。すると、マグネット回路の1つに絶縁不良がありました[16]。不良機器はブレーキ付きのモーターです[16]。接続箱で配線を外して測ると、モーター本体側の絶縁不良と分かりました[16]。

技術者は、この機器の動きが漏電の記録と合うことから原因と判断し、モーターの交換を工場に依頼しました[16]。短時間の間欠漏電は、絶縁監視装置ではつかみにくいとされています[16]。この事例では、クランプロガーの記録が状況の把握に役立ちました[16]。正確に測るには、MCCBを開放して二次側を1回路ずつ測ります[4]。停電範囲や開放操作、測定する回路の選定は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

三相で読み違えやすい落とし穴

接地相の絶縁が悪くなっても、対地電圧が0Vなら漏電として流れません。そのためIoクランプでは1mAを超えませんが、MCCBやELBを開放してメガーで測ると不良が見つかります[1]。また、接地相の絶縁が低下すると、同じバンクの他回路の漏電がそこへ流れ込みます。するとB種接地での監視ではつかみにくくなり、二次被害につながるおそれがあります[17]。接地相でも検電器が反応する場合があり、そのときはB種接地にも対地電圧があります[17]。

インバータやスイッチング電源のある回路では、高周波成分が重なります[1]。フィルタを有効にすると、帯域は180Hz(-3dB)になり、一般的な漏電ブレーカーと同程度です[1]。

盤接地線の微量な電流は、リーククランプで値を読めます[18]。単相3線の接地相と盤接地の間の電圧波形を観察した記録では、kHz単位の成分が見られました[18]。記録の筆者は、観察した電圧波形が接地線の電流波形と同じだと考えました[18]。LPFを無効にするとこの成分が加わり、指示値が上がるとしています[18]。一般に、同じ箇所をLPFの有効と無効で測り比べると、その差から高周波成分の影響をつかめます。

人工地絡で絶縁監視装置を試験する際も、クランプの位置で値が変わる例があります[19]。ある技術者の記録では、ライン側とB種接地端子の間に試験用の電線をつないでいます[19]。この電線にクランプを掛けると、動作値が50mA±10%を下回ることがありました[19]。一方、ZCTの取付部の直近で測ると、良い値が出ています[19]。

この技術者は、漏れ電流を実際に検出しているZCTの近くでクランプを掛けるほうが確実だと述べています[19]。値が変わる理由は、記録の中では調べられていません[19]。人工地絡の試験は、電路のライン側に試験器をつなぐ作業です[19]。手順や安全措置は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

B種接地線が外れていると、B種接地線でのクランプ測定も絶縁監視もできません[20]。B種接地が浮くと、漏電遮断器が動作しない、または遅れて動作する可能性も指摘されています[20]。また、B種接地線の被覆がボルトに食い込み、絶縁不良から加熱・焼損に至った事例もあります[4]。B種接地線の中継には、端子台やエポキシ樹脂がいしが使われます[4]。このがいしに汚れがたまると、B種の機器側を測った絶縁抵抗が低く出ます[4]。

現場で確かめること

  • 測った場所がB種接地線か、3線(三相4線は4線)一括かを記録に残す
  • フィルタ(LPF)の有効・無効を前回と同じにそろえる
  • Ior測定器の相方式・周波数・電圧クリップの位置を確かめる
  • B種接地線のIoを前回値や絶縁監視装置の値と比べ、変動するときはロガーで時間変化を記録する
  • メガーを当てる前に、開いたスイッチや接触器の先が測定範囲に入るかを確かめる
  • B種接地線の外れ、被覆の損傷、中継がいしの汚れ、他の接地線とのつながりを目で確かめる

実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。

よくある質問

Q.三相の漏れ電流はB種接地線と3線一括のどちらで測ればよいですか?

A.B種接地線はバンク全体の漏れ電流を、3線一括は回路ごとの漏れ電流を見る測り方です[1]。まずB種接地線で全体をつかみ、上流から下流へ3線一括で絞り込む手順が紹介されています[1]。

Q.三相4線の漏れ電流はどこを挟みますか?

A.Y結線で中性点を接地した三相4線の電路では、B種接地線か4線一括を挟みます[2]。ある機種のIor測定器では、電圧クリップの赤をR、白を中性点に付けてYモードで測る例があります[2]。クリップの色と接続先は機種で異なるため、取扱説明書に従ってください[2][11]。

Q.漏れ電流の目安が1mAなのはなぜですか?

A.対地電圧100Vを絶縁抵抗0.1MΩで割ると1mAになります[1][5]。1mAは、人が電撃を感じる最小の電流に当たります[1][6]。ただし基準値は最低限の値で、普段の値ではありません[6]。

Q.B種接地線のIoはどのくらい増えたら調べればよいですか?

A.ある技術者は、測定器どうしの差をつかんだうえで、Ioの相対的な変化で管理できると述べています[3]。ふだん5mA程度の接地線で100〜120mAが出た月次点検では、回線を追って原因と見られる機械にたどり着きました[12]。一般に、調査に入る増加幅は、設備の平常値や警報設定に合わせて現場で決めます。

Q.Ioが数十mAあります。絶縁不良でしょうか?

A.一般に、Ioには静電容量分も含まれるため、Ioの値だけでは絶縁不良かどうか判断できません。Io約27mAに対しIor約3mAだった動力バンクの測定例があります[3]。ただし測定例の資料は、Iorの良否を判定していません[3]。Ior測定器で抵抗分を測り、前回値からの変化と合わせて判断してください[1][3]。200V回路でIor 2mAは0.1MΩに当たるという換算が示されています[2]。0.1MΩは、1mA以下なら200V回路で0.2MΩ以上とする見方より低い絶縁です[4]。そのため、2mAを合格の線として扱わないでください。

Q.フィルタを切り替えると漏れ電流の値が変わるのはなぜですか?

A.インバータやスイッチング電源の回路では、漏れ電流に高周波成分が重なります[1]。フィルタを有効にすると帯域は180Hz(-3dB)になり、高周波成分が除かれます[1]。LPFを無効にするとkHz単位の成分が加わり、指示値が上がるという観察記録もあります[18]。

Q.クランプで漏れ電流がほぼ0mAなら、絶縁に問題はありませんか?

A.接地相の絶縁不良は漏電として流れにくいため、Ioクランプでは見つからない場合があります[1]。回路を開放してメガーで測ると不良が見つかることがあります[1]。

Q.クランプでは漏れているのに、停電してメガーを当てても不良が見つかりません。

A.機械が動いたときだけ漏れる機器の可能性があります[12][16]。ある年次点検では、制御盤のマグネット回路をすべてメガーで測り、ブレーキ付きモーターの絶縁不良を特定しました[16]。測定範囲や開放操作は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

Q.太い幹線で3線をまとめて挟めない場合はどうしますか?

A.R相とS相を一緒に測った値からT相だけの値を引き、差を漏れ電流とみなす方法が紹介されています[1]。一般に、実効値どうしの引き算で得た差は参考値にとどまり、目安に照らした良否の判定には使えません。一括で挟める位置や、B種接地線での測定を優先してください。

Q.漏れ電流が出たり消えたりして回路を特定できません。

A.クランプロガーで時間変化を記録すると、漏電の周期が分かり、運転中の機器を推測しやすくなります[14]。ある技術者が回線を追って機械にたどり着き、作業者から以前からの不調を聞いた例もあります[12]。

出典(このページのもとにした記事・動画)

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