変圧器低圧側の漏れは、バンクごとのB種接地線でIoを測る方法が基本です[1][2]。ある技術者は年2回、リークテスターのIorを絶縁監視装置やクランプの値と比べています[1][3]。計器の間の差をつかんでおけば、絶対値より傾向で管理できると述べています[1][3]。監視装置の動作値試験で値がずれたときは、分割型ZCTの合わせ目の接触や、人工地絡試験でクランプを掛ける位置を確かめた例があります[4][5]。
B種接地線で測れる範囲とバンクごとの測り分け
一般に、B種接地線にはその変圧器の低圧側全体の漏れ電流が集まります。そのためB種接地線で測れば、変圧器二次側以降の漏れを一括でつかめます[6]。原因を絞るときは、二次側の上流から下流へ三相一括で段階的に測ります[6]。
ある技術者は、月次点検で変圧器ごとにB種接地線のIoを測っています[3][2]。絶縁監視装置を電灯2バンクと動力1バンクの3チャンネルに分けた例もあります[5]。一般に、複数バンクの接地線が合流した後で測ると、各バンクの合計しか見えません。一般に、共用時は各変圧器から合流点までの区間で測るとバンクを切り分けられます。
キュービクル内では、B種接地線を樹脂がいしと金属バーで分岐している例があります[7]。分岐用がいしの裏側は筐体の金属に接しており、汚れると絶縁が低く測れます[7]。接地線の被覆がボルトや鉄板に挟まれ、漏れから加熱して焼損した事例もあります[7]。
単相バンクと三相バンクでIorの求め方が違う点
Io(合成値)とIor(抵抗分)のどちらで判断するか
クランプメーターのフィルタは高周波を除くだけで、Iocまでは除けません[6]。抵抗分だけを見たいときは、Ior専用の測定器が必要になります[6]。インバータやスイッチング電源のある回路では、Ioに高周波分が重なります[6]。フィルタを有効にすると帯域は180Hzとなり、一般的な漏電遮断器と同程度です[6]。
ある技術者は、月次はクランプでIoを測り、監視装置のテストボタンでIorを見ています[1]。4月と10月はリークテスターでIoとIorを測り、監視装置の値が妥当か確認しています[3][2]。比較を続ければ平常時のIoとIorの関係が分かり、月次はIoだけで管理できるとしています[3]。
ただし接地相は対地電圧が0Vのため、絶縁不良があってもIoには出てきません[6]。接地相の絶縁が下がると、同じバンクの他回路の漏電が分流して入り込みます[9]。分流が起きるとB種接地での監視では追いにくく、別の不良箇所に二次被害が及びます[9]。接地相でも検電器が反応して、B種接地に対地電圧が生じる場合があります[9]。一般に、接地線へ近づく前の確認は現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
絶縁監視装置やリーククランプと値が合わないときに疑う所
ある事業場の動力変圧器では、Ioがクランプで26.7mA、テスターで26.9mAでした[1]。監視装置はIoを27mAでIorを3mAと示し、テスターのIorは3.3mAでした[1]。記録した技術者は、ここまで一致するのは珍しいと書いています[1]。
別の変圧器では、Ioがクランプで193mA、テスターで192mAとほぼ同じでした[3]。一方でIorはテスター33mAに対して、監視装置は28mAと差が出ました[3]。数mAから10mA程度の差は通常でも出ることがあると、同じ技術者は記録しています[3]。監視装置の値はセンサーケーブルの長さや配線の環境に左右されると、その技術者は見ています[3]。
動作値がずれるときは、分割型ZCTの合わせ目の接触から確かめた例があります[5]。人工地絡で試験するときは、ZCTのすぐ近くで電流を読む方が確実です[4]。インバータ負荷のあるバンクでは、クランプのフィルタで高周波分を除いて比べます[6]。幹線が太く一括で挟めないときは、二相と残り一相に分けて差を取る方法もあります[6]。クランプの表示は正の実効値なので、分割測定では誤差が出ることがあります[6]。
現場の実例:監視装置の動作値が設定とずれたときの対応
ある技術者は年次点検の停電中に、Io方式の監視装置で動作値試験を行いました[5]。3チャンネルのうち1チャンネルだけが、50mA設定なのに約70mAまで動きませんでした[5]。技術者は設定の変更残りを疑い、画面で全チャンネルが50mA設定だと確かめました[5]。分割型ZCTを一度開いて閉じ直すと、50mA台で動作するようになりました[5]。爪は掛かっていたため、技術者はほこりが原因ではないかと推測しています[5]。爪の割れや締まりに不安があれば、結束バンドで固定する案も出しています[5]。
別の年次点検では、応援者が手作りの試験器で監視装置を試験しました[4]。ライン側とB種接地端子をつなぐ電線で読むと、50mA±10%を下回る時がありました[4]。ZCT取付部の直近で読み直すと、良好な値になりました[4]。原因は未調査ながら、ZCT付近で読む方法を勧めています[4]。一般に、人工地絡試験の接続方法や停電の要否は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
現場で確かめること
- 測っている接地線がどのバンクのものか、合流前か後か
- Ior測定器の単相・三相の設定とバンクの結線
- クランプのフィルタ設定とインバータ負荷の有無
- 分割型ZCTの合わせ目と爪の状態
- 前回の比較試験で記録した計器間の差
- 接地線の被覆の傷と分岐がいしの汚れ
実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。
よくある質問
Q.クランプメーターのIoだけで絶縁管理できますか?
A.ある技術者は、年2回の比較でIoとIorの関係をつかめば月次はIoだけで管理できるとしています[3]。ただしIoにはIocも含まれるため、抵抗分を見るにはIor専用の測定器が要ります[6]。
Q.絶縁監視装置とリークテスターのIorが違うのは故障ですか?
A.数mAから10mA程度の差は通常でも出ることがあると、ある技術者は記録しています[3]。差の大きさを年2回ほど把握しておけば、相対値で警報に対応できるという考えもあります[1]。動作値が怪しいときは、分割型ZCTの接触から確かめた例があります[5]。
Q.停電点検でB種接地線を外さずに漏れを測れますか?
A.測った値は、変圧器二次側からMCCB一次側までの漏れを示します[7]。1mA以下なら、100V回路で0.1MΩ以上、200V回路で0.2MΩ以上と判断できます[7]。一般に、B種接地線のクランプ測定は、変圧器に電圧が掛かっていないと値が出ません。一般に、停電点検中にどこまで電圧を掛けるかや作業者の安全確保は、現場の手順書と有資格者の判断で計画してください。
出典(このページのもとにした記事・動画)
本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。
- [1]B種接地線のIor測定Denkikanri3y's Blog / 2026年5月19日
- [2]Iorリークテスター測定値と絶監の通報値との比較と高圧コンデンサー電流の測定Denkikanri3y's Blog / 2025年4月6日
- [3]リークハイテスタでIorを測定Denkikanri3y's Blog / 2026年10月6日
- [4]抵抗地絡電流とB種電流値の差?とある電気管理の位相 / 2025年11月6日
- [5]絶縁監視装置 動作値不良?とある電気管理の位相 / 2025年10月31日
- [6]クランプメーター・漏れ電流測定、原理、使い方でんきメモ (memo-labo)
- [7]S-E間 B種接地線~トランス低圧側~MCCB1次側までの絶縁抵抗測定は必要?でんきメモ (memo-labo)
- [8]I0r測定器の校正を受託実施とある電気管理の位相 / 2025年8月20日
- [9]接地相の絶縁低下 同一バンク他回路の漏電から分流でんきメモ (memo-labo)