絶縁抵抗測定は、絶縁抵抗計のアース側を大地側へ、ライン側を測定する電路へつないで値を読みます[1]。年次点検の記録には、受電前に一括で測る例と、低圧を区間に分けて不良箇所を絞る例があります[2][3]。測定後の放電について、ある資料は絶縁抵抗計に頼る放電のリスクを挙げています[4]。停電と検電、放電の進め方は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
測定前の準備と、停電・無電圧の確認
ある技術者は年次点検の試験全般の準備として、停電前に試験器を並べテストリードを近くに下げます[5]。試験器側はつなげる線だけをつなぎ、試験器に蓋をかぶせておく段取りです[5]。蓋をかぶせる理由は、落とした工具で計器のガラス面を割らないためです[5]。同じ技術者は、電源コードを試験の開始まで電源元につなぎません[5]。発電機などが動いたままつなぐと、クリップ同士の短絡や感電が考えられるためです[5]。
一般に、絶縁抵抗測定は測定する電路を停電させ、無電圧を確かめてから行います。絶縁抵抗計で電圧を測る場合、ある資料はテストリードをブレーカーの2次側に当てるとしています[1]。2次側なら、万一の短絡をブレーカーで保護できるためです[1]。同じ資料は、電圧の測定中に測定キーを押さないよう注意しています[1]。停電の範囲と検電の方法は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
絶縁抵抗計の使用前チェック
絶縁抵抗計のチェックには、標準抵抗器を使うことが多いです[6]。ある技術者は、アナログテスターの直流電圧レンジで代用する方法を紹介しています[6]。紹介されたテスターの内部インピーダンスは、直流電圧レンジで20kΩ/Vです[6]。300Vレンジは6MΩ、120Vレンジは2.4MΩの抵抗として働きます[6]。
接続は、絶縁抵抗計のアース側をテスターのプラスへ、ライン側をマイナスへつなぎます[6]。直流電圧レンジを使うと、抵抗値と印加電圧を一度に確かめられます[6]。ただし、レンジを超える電圧を短時間かけるため、テスターを壊すおそれがあります[6]。紹介した技術者も、自己責任で行うよう断っています[6]。別の資料の実験では、125Vレンジの出力が133V、250Vレンジの出力が266Vでした[1]。
アース側とライン側のつなぎ方
絶縁抵抗計の極性は、アース側(黒)がプラス、ライン側(赤)がマイナスです[1]。電線と大地の間を測るときは、ライン側を芯線へ、アース側を大地へつなぎます[1]。芯線をマイナスにする向きは値が小さく出やすく、絶縁不良の検出に向くためです[1]。測定対象が接地されていない場合、極性は任意です[1]。別の技術者も、試験器の極性を含めた工夫が要ると書いています[7]。
高圧ケーブルをG端子接地方式で測る場合、測定者はシールドアースを接地線から切り離します[4]。ライン端子は高圧充電部へ、ガード端子は接地線へ、アース端子はシールドアースへつなぎます[4]。G端子接地方式なら、高圧機器をつないだままケーブル単体の絶縁層を測れます[4]。ただし同じ資料は、G端子接地方式が有効なのはシースの絶縁抵抗が1MΩ以上のときとしています[4]。
金属遮へい層と接地の間のシース絶縁抵抗が1MΩ未満なら、測定の条件を満たしません[4]。ガード端子の接地が不確実だと、シースの絶縁破壊を招くおそれがあると指摘されています[4]。接地線の切り離しと復旧は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
一括測定と回路ごとの測定、不良区間を絞った実例
ある技術者は年次点検で、受電ケーブルを5000Vの絶縁抵抗計とG端子接地方式で測りました[2]。同じ技術者は受電前にも、5000Vの絶縁抵抗計で一括の測定を行い、値は6GΩでした[2]。現場盤の低圧回路は、測定の一部を省略しています[2]。
別の技術者の年次点検では、立体駐車場の回路が0.01MΩ以下でした[3]。技術者は復電後に追跡調査へ入りました[3]。制御盤のブレーカーで測ると、負荷側に異常はありませんでした[3]。技術者は図面を手がかりに、建物の間にある中継分電盤を見つけました[3]。区間を分けて測った結果、中継ブレーカーから制御盤までの配線が不良でした[3]。
不良の原因は、濡れた盤内の床に電線が触れていたこととみられます[3]。技術者が電線を床から離すように曲げると、値は50MΩを超えました[3]。年次点検で低圧回路の絶縁抵抗を測った記録は、複数あります[8][3]。線間(相間)の絶縁抵抗測定は相と相の間を測るもので、電線と大地の間の測定とは別の話です[9]。線間の測定について、ある資料は定期検査では低圧を実施しないことが多いとしています[9]。
読み取りで値がふらついた現場の実例
1988年製のキュービクルがある現場で、ある技術者が低圧回路を測りました[8]。1回路目のブレーカー2次側で、値が2MΩと3MΩの間を不安定に動きました[8]。技術者がプローブの角度を変えると、ブレーカーの穴枠に触れたときは2MΩでした[8]。プローブを端子だけに当てたときは、3MΩを示しました[8]。
技術者が250Vレンジでブレーカーの筐体を測ると、20MΩでした[8]。ブレーカー本体の絶縁が下がり、合成抵抗として値が動いていたのです[8]。追記によると、プローブのピンは被覆が抜けて金属がむき出しでした[8]。技術者はピンに接着剤を薄く塗り、熱収縮チューブで被覆を作り直しています[8]。値がふらつくときは、プローブの当て方と先端の被覆を確かめる手がかりになります[8]。
測定後の放電と復旧
高電圧絶縁抵抗計には、試験スイッチを切ると放電回路が働く機能があります[4]。資料が挙げる仕様では、放電抵抗は5MΩで、放電回路は60秒以上動きます[4]。放電の状態は、指示計で確かめられます[4]。一方で同じ資料は、絶縁抵抗計に頼る放電のリスクも並べています[4]。リスクは、感電や絶縁抵抗計の破損、放電が遅く電荷が残ることなどです[4]。
放電の方法と確認は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。一般に、測定のために外した配線や接地線は、復電の前に元へ戻すことが求められます。停電点検で機器が壊れても、開放・印加・投入のどの時点かは特定できないと、ある資料は書いています[10]。ブレーカーの投入を含む復旧の操作も、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。
現場で確かめること
- 試験器とテストリードを停電前に並べたか [5]
- 絶縁抵抗計の指示と出力電圧を使用前に確かめたか [6]
- アース側とライン側の接続先は合っているか [1]
- プローブ先端の被覆が抜けていないか [8]
- 放電の方法と完了の確認を、現場の手順書と有資格者の判断に沿って行ったか
実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。
よくある質問
Q.メガーのアースとラインはどちらに当てますか?
A.アース側(黒)を大地側へ、ライン側(赤)を測定する芯線へつなぎます[1]。芯線をマイナスにする向きは値が小さく出やすく、絶縁不良を見つけやすいためです[1]。
Q.インバータや電子機器がある回路はそのまま測れますか?
A.ある資料は、電子機器を切り離して測るのが理想としています[10]。インバータ単体を測る場合は、主回路端子の配線をすべて外します[9]。次に端子を一括で短絡し、アースとの間に電圧をかけます[9]。
出典(このページのもとにした記事・動画)
本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。
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