現場の記事から作った解説

継電器試験装置の構成と選び方|GR・DGR・OCR別の機能と現場例

公開 2026年10月19日出典 16件(うち動画 1本)サイト監修:本田電気管理事務所
結論

継電器試験装置には、電流と電圧の出力部、位相の設定、動作時間を測るカウンターが要ります[1][2][3]。OCRでは、瞬時整定60Aに対し62Aまで出せる試験器を使った現場があります[3]。DGRでは電圧と電流を同時に出し、位相を設定できる機能が要ります[1][4]。遮断器を動かしにくい設備では、模擬遮断器で連動を確かめる方法もあります[5]。

継電器試験装置の主な機能と周辺機器

一般に、継電器試験装置は継電器に模擬の電流や電圧を加え、動作値と動作時間を確かめる装置です。ある技術者のDGR試験器は、電圧出力・電流出力・位相をそれぞれ設定して試験できます[1]。電圧2相と電流2相を出せる試験器1台で、OCR・DGR・3Eを順に試験した現場もあります[3][6]。

タイマーは、試験電流を流してからトリップ信号が出るまでの時間を計ります[2]。ある測定では、試験器内蔵のカウンターが184msecを示しました[2]。並行して記録計で測った値は183msecで、ほぼ同じ結果でした[2]。

一般に、模擬遮断器は実際の遮断器の代わりに、入切の動作と補助接点を再現する装置です。ある三相模擬遮断器は、a接点とb接点を4個ずつ備えています[5]。使う際は、シーケンス図を読んで遮断器のa接点・b接点の条件を回路に組み込みます[5]。ある系統連系設備の更新では、実遮断器を動かすのに内燃力発電機の運転が必要でした[5]。そこで受電用1台と発電機用2台の計3台分を、模擬遮断器で試験する方法が示されています[5]。

GR・DGR・OCRで必要になる機能の違い

ある現場では、CT変更に伴いOCRの瞬時整定が60Aとなり、62Aまで出せる試験器を持ち込みました[3]。別の記録では、瞬時整定が60Aなら動作時間は120Aで測る想定で、試験器2台をマスターとスレーブにして周波数を同期させる方法が挙げられています[5]。OCRでは動作値の確認だけでなく、動作時間を何Aで測るかも見て必要な出力を決めてください。

DGRでは、電圧要素と電流要素に同時に出力し、位相を変えて動作を確かめます[1][4]。竣工検査や交換工事での試験項目には、位相特性や慣性特性、遮断器連動も含まれます[4]。タップの振り方は、時間も全タップで試す方法と整定値だけ試す方法に分かれます[4]。整定電流は、どちらの方法でも全タップで試験する扱いです[4]。

GRやSOGの試験では、Va-Vc端子のトリップ電圧を捉える入力があると便利です[2][7]。ある測定ではIo=130%の260mAを流し、DC140Vのトリップ電圧が出るまでを計りました[2]。三菱製リレーの現場では、専用の模擬入力試験器と試験用端子台も準備しました[8]。3相の27試験を楽にする切替器を持ち込んだ例もあります[8]。

DGR試験器の位相を別の計器で確かめた例

ある技術者は、DGR試験器の位相表示が正しいかをユニバーサルカウンターで確かめました[1]。カウンターは電圧しか入力できないため、10Ω10Wの巻線抵抗で電流を電圧に変えています[1]。電流要素は、試験器の取説に従って極性を逆につなぎ、180°ずらしました[1]。電圧3V・電流0.3Aとし、位相0°と遅れ・進みの60°・120°を測定しています[1]。

校正済みの外付け位相計との差は1〜2°でした[1]。記録者は、精度の高いカウンター側の値が正しい可能性を挙げています[1]。出力電圧を変えると位相表示もわずかに動き、低い電圧ほど誤差が増えました[1]。また、抵抗を挿入した回路では、0.7A以上の電流が流れなくなりました[1]。

現場の実例:非接触検知器とカウンターで連動時間を測る

ある技術者は、第1柱PASの連動時間をテストボタン操作で測る方法を考えました[2]。活線のままリレー試験はしたくない、という同業者の声に応えた工夫です[2]。SOGのVa-Vc端子をカウンターの起動側につなぎ、SOG電源回路にクランプCTを付けます[7]。電源が切れると検知器の接点が出て、カウンターが止まる仕組みです[7]。

DGテストボタンを押してPASが開くまでを測ると、約40msecでした[7]。続けてDGRの単体試験を行い、単体の動作時間が管理値内であることも確認しています[7]。PASの代わりにラッチングリレーを使った机上の検証では、18msec程度でした[9]。記録者はこの方法を簡単で安全と評価しています[7]。ただし第1柱の開放は停電を伴うため、実施は現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

校正を頼まれた別の技術者は、音センサーのトリップ検出でOCR連動を試しました[10]。瞬時の動作時間は50ms強を見込んでいましたが、結果は500msでした[10]。トリップ線を直接つないで測り直すと、問題はありませんでした[10]。DGRの全自動試験は手動よりおそらく時間がかかるが、試験中に接地抵抗測定を進めれば効率がよさそうだ、と記録者は見ています[10]。

研修用には、100V電源で約4Aを流す自作の引き外し装置を使った例があります[11]。静止形と誘導形のOCRで限時・瞬時要素を試し、遮断器の開放と動作表示を確かめました[11]。

連動試験でつまずく盤と配線の工夫

UVRとOCRが同じ盤にあると、OCRの単体試験はできても連動試験で行き詰まることがあります[12]。停電中はUVRが動作状態のため、VCBをハンドルで入れてもすぐ開いてしまいます[12]。対策の一つは、UVRのトリップ側の2線を外し、離れないようクリップでまとめる方法です[12]。UVRに電圧を加えたまま試す方法もありますが、補助電源の供給が手間になります[12]。どちらを選ぶかは、盤のシーケンスを確かめたうえで有資格者が判断してください。

試験用接点端子付きのCTTなら、差し替えるだけでVCBのトリップ信号も取れます[6]。UVRを連動で試しにくい盤では、前面の端子から接点を取った例があります[13]。受電盤の裏に入らずに済むよう、補助リレーなどの線番を数年前に調べておいたものです[13]。

古い施設では、CTTの変成器側相間にバリスタが付いていた例もあります[14]。受電中にCTTを外した際のCT二次開放を防ぐ目的と推測されていますが、経緯は不明です[14]。見慣れない部品を見つけたら、外す前に設備の管理者や有資格者と確認してください。

試験装置の選び方と当日の準備

一般に、試験装置は管理する設備の整定値と継電器の種類から必要な出力を決めます。耐圧試験には多機能型の試験装置を使い、瞬時整定60AのOCR試験には62Aまで出せる電圧2相電流2相の保護リレー試験器を使い分けた現場があります[3]。

試験電源にポータブル電源を使う技術者もいます[14]。ある現場では電源を入れたまま車内に数日置き、残量2%で使えなくなりました[14]。このときは別の機種で代用しています[14]。実機に触れる機会の少ない継電器は、知人から借りて試験を練習した例もあります[15]。一般に、使う頻度の低い試験装置はレンタルで補う方法もあります。

現場で確かめること

  • OCRの瞬時整定値と試験器の最大出力電流
  • DGR電流要素の極性と位相表示の進み・遅れ
  • 停電中に動作状態となるUVRの引外し回路の有無
  • CTTの形式と試験用接点端子・付属部品の有無
  • ポータブル電源など試験電源の残量
  • 連動時間の判定に使う管理値の出典となる取説

実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。

よくある質問

Q.OCR試験器は何Aまで出力できれば足りますか

A.瞬時整定60Aの現場では、62Aまで出せる試験器を使った例があります[3]。一方、瞬時整定60Aの動作時間を120Aで測る想定で、試験器2台の同期運転を挙げた記録もあります[5]。動作値の確認だけでなく、動作時間を何Aで測るかも見て必要な出力を決めてください。

Q.DGR試験器の位相表示は確認できますか

A.ユニバーサルカウンターと抵抗器を使い、位相を測り直した例があります[1]。校正済みの位相計との差は1〜2°でした[1]。出力電圧が低いと誤差が増えるため、3〜5V程度なら支障はないという見立てです[1]。

Q.連動試験の動作時間に判定基準はありますか

A.あるメーカー取説では、単体試験の管理値に0.1秒を足した値が連動の目安です[2][7]。一方で、JISや取説に許容値の記載は無いとする記録もあります[16]。現場や設備によって判断が分かれるため、使用機種の取説を確かめてください。

Q.連動試験は毎年必要ですか

A.同じ記録では、試験器での連動を3年に1回とし、他の年はテストボタンで行う運用例を紹介しています[16]。一般に、実施頻度は保安規程や契約内容で決まるため、所属先の規定に従ってください。

Q.模擬遮断器はどんなときに使いますか

A.実遮断器を動かすのに発電機の運転が要る設備で使う例があります[5]。ある三相模擬遮断器はa接点・b接点を4個ずつ備え、この現場では受電用と発電機用の計3台分の試験に使う方法が示されています[5]。使う前にシーケンスを読み、接点条件を回路へ組み込みます[5]。

出典(このページのもとにした記事・動画)

本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。

  1. [1]ユニバーサルカウンターでDGRの位相測定Denkikanri3y's Blog / 2024年10月13日
  2. [2]第1柱連動動作時間測定試験第二弾Denkikanri3y's Blog / 2025年5月21日
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  4. [4]竣工検査や交換工事においてDGRやSOGの試験内容は?でんきメモ (memo-labo)
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