現場の記事から作った解説

接地抵抗測定のやり方|切り離しから補助極の打ち方、失敗例まで

公開 2026年10月28日出典 15件(うち動画 1本)監修:本田電気管理事務所(電気管理技術者)
結論

接地抵抗測定では極側を単体で測るか機器側とつないで測るかを決めたうえで、補助極P・Cを一直線上に十分離して打ち、値を読みます[1][2][3]。ある実測では、被測定極の10m先にP、さらに10m先にCを置いています[3]。接地抵抗は季節や天候で変わります。このため、基準ぎりぎりの値は後日の測定で基準を超えることがあります[4]。

測る前に:接地線の切り離しと測定器の確認

極側と機器側をつないだまま測ると、機器側の接地抵抗が並列に合算されます[1]。機器を移設したり撤去したりすると、機器分が抜けて値が上がるおそれがあります[1][2]。このため、極側を単体で測るべきだという意見があります[2]。一方で、機器の移動や増設がない事業場なら一括測定でもよいとする見方もあります[1]。どちらを採るかは、現場や設備によって判断が分かれます[1][2]。

屋外キュービクルなどでは、機器側の接地抵抗が低く出ても当てにできないことがあります[2]。コンクリートは水分がおよそ5%を超えると、抵抗値が100Ωを下回ることがあるそうです[2]。

ある技術者の記録では、絶縁抵抗を測る目的で、停電点検の際に接地端子盤でB種の極側と機器側を切り分けています[5]。B種接地線が外れた状態では、電圧の不均衡や漏電遮断器の不動作が起こり得ると整理されています[6]。停電が必要かどうかや切り離しの順序は、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

測定器を使う前に、リード線の断線を確かめてゼロアジャストを行います[7]。試験器のEとCを短絡させて測り、0Ωなら導通、無限大なら断線と判断できます[7]。端子の組み合わせを変えて試すと、切れているリード線を特定できます[7]。ゼロアジャストとは、測定コードを短絡させてコードや接続部の抵抗分を除く調整のことです[7]。

補助極P・Cの打ち方とE・P・Cのつなぎ方

E・P・Cは、それぞれどこにつながる?
接地抵抗計のE端子は測りたい接地極、P(S)端子は電位用の補助極、C(H)端子は電流用の補助極につながる。地面の極はE、P、Cの順に並ぶ。
3電極法の端子と接地極の対応を示す概念図です。[1] 極の形状・深さ・間隔は縮尺どおりではありません。図は接地線の切り離し手順を示していません。配置間隔や測定の条件は、使用する測定器の取扱説明書と現場の手順書で確認してください。

一般に、接地抵抗計のE端子は測りたい接地極に、P端子とC端子は2本の補助極につなぎます。Pは電位極、Cは電流極を指します[1]。各メーカーはIECの呼び方に合わせ、S(P)、C(H)のように併記しています[1]。

ある技術者は畑で長さ1.5mのアース棒を打ち込み、試験用の接地極にしました[3]。そこから10m先にP、さらに一直線上の10m先にCを置いて測っています[3]。この配置は、計測器メーカーが推奨する方法に沿ったものです[3]。続いてPを接地極に近づけて測ると、極どうしの間隔が詰まるほど値が大きく変わりました[3]。

実際の現場では、接地極が埋まっている位置が分からないのが普通です[3]。そのため、補助極を十分に離して打ち、位置を変えて測り直すことが勧められています[3]。一般に、Pの位置を少しずらしても値が安定していれば、補助極の配置に無理がないと判断できます。

一般に、接地抵抗計は交流で測定します。直流をかけると土の中で電気分解が起き、電極に泡が付いて電流が流れにくくなります[1]。材質の違う電極どうしは電池のように働き、かける電圧の向きによって電流値が変わることもあります[1]。

測った値の見方と基準値

測った値は、接地の種類ごとの基準値と比べて判定します。ある事務所の資料では、A種とC種が10Ω以下、D種が100Ω以下です[8]。B種は一線地絡電流Igを使い、150/Ig Ω以下として求めます[8]。B種は設置条件によって緩和されるため、電気事業者への照会が勧められています[8]。

ある意見では、A種とB種は接地極単体の値を見ます。C種とD種は機器側の値で判断するとしています[1]。

接地抵抗は季節で変わり、2月ごろに最大、8月ごろに最小になります[4]。ある記録では、その変化幅を25%程度と見ています[4]。前日の雨や晴天続きといった天気でも値が変わります[4]。工事会社と主任技術者で測定器のメーカーが違うだけでも、値に差が出ます[4]。施工時に10Ωぎりぎりだった極は、後日の測定で10Ωを超える場合があります[4]。一般に、測定日の天候と使った測定器を記録しておくと、前回値と比べやすくなります。

現場の実例:基準を超えた、測る場所で値が違った

ある技術者は請負の年次点検で、単極での測定を指定されました[9]。接地端子のボルトとナットを外し、一番太いIV線をA種の極と考えて測りました[9]。結果は10.67Ωで、A種の10Ω以下をわずかに超えていました[9]。その結果を報告すると、2極を合わせて測るはずだという答えが返ってきました[9]。

もう1本の候補線は27.3Ωでした。2本を一緒に測ると7.88Ωになり、A種の基準内に収まりました[9]。過去に基準超過で接地極を追加した名残ではないかと、その技術者は見ています[9]。

別の記録では、工事会社と主任技術者で測った場所が違い、値に差が出ました[4]。工事会社は掘削の際、A種接地線の被覆をむいて測りました[4]。主任技術者は、SOG制御箱内の端子で測っています[4]。端子には年数がたつとさびが出て、値が高めに出ることがあります[4]。このため、さびを落としてから測るよう記録されています[4]。

停電点検で、B種接地抵抗が1000Ω以上だった例もあります[4]。この記録は、許容値を大きく超えた場合は指摘を出して改修工事を行うべきだとしています[4]。改修工事では、1本で基準に届かなければアース棒を追加で打ち込みます[10]。

補助極が打てない、値がふらつくときの対処

建物の地下に接地極を埋めた現場では、測定用の補助極があらかじめ設けられていることがあります[11]。その補助極が1000Ωを超えたり、針が振り切れて測れなかったりする現場もあります[11]。原因としては、断線やそもそも打たれていないことが疑われます[11]。新築で図面に載っている場合は、竣工検査より前の工事中点検で指摘するのがよいとされます[11]。

補助極が使えないときは、代わりになる導体を探します[11]。地面が土なら金属棒を打ち込みます。ほかに電柱の支線や金属の水道管も候補です[11]。建物では、鉄骨とつながったドアのヒンジや屋上の丸環も使えます[11]。

補助極として許される抵抗の上限は、機種によって異なります[11]。KYORITSUの機種は、ランプが点灯していれば1000Ωを超えていても測れます[11]。HIOKIのFT6031-50は、補助極の許容抵抗を50kΩとしています[11]。別の記録はメーカーにより約1kΩ〜10kΩ程度としており、現場や機種によって判断が分かれます[1][11]。

値がふらつく原因の一つは、漏れ電流による地電圧です[12]。B種側の漏れ電流があると、アーステスタの値が不安定になることがあります[12]。D種側の漏れ電流が原因なら、D種につながる機器を止めて測ります[12]。機器を止めるかどうかは、事業者との調整と手順書に沿って決めてください。一般に、地電圧を表示できる接地抵抗計では、測定前に地電圧を確かめます。

現場で確かめること

  • 極側単体で測るか、機器側とつないで測るかを決めたか
  • 接地線の切り離しと停電の要否を手順書で確認したか
  • リード線の導通確認とゼロアジャストを済ませたか
  • P・Cを一直線上に十分離し、位置をずらしても値が安定するか
  • 端子のさびを落とし、複数の極を合わせて測る指定がないか確認したか
  • 測定日・天候・使用した測定器を記録したか

実際の作業は、各事業場の保安規程・作業手順書と、有資格者の判断に従ってください。

よくある質問

Q.2極法(簡易測定)はどんなときに使えますか?

A.2極法はEとPの2極で測る方法で、CはPと短絡して同じ極につなぎます[13]。主にD種の確認用で、A・B・C種の測定には使えません[13]。補助極に使えるのは、対地電圧300V以下のコンセントのニュートラル側か、対地電圧150V以下のブレーカ二次側のニュートラル側配線です[13]。通電中のコンセントのニュートラル側を補助極に使うため、事前に検電器でニュートラル側であることを確かめます[13]。専用のテストリード(例:HIOKI L9787)を使い、ほかの測定コードは使わないでください。感電のおそれがあります[13]。作業してよいかどうかは、現場の手順書と有資格者の判断に従ってください。

Q.接地抵抗の測定で漏電遮断器が落ちることはありますか?

A.B種の極を補助極に使う簡易測定では、D種とB種の間に流す電流が漏電遮断器を通ります[13]。漏電遮断器がその電流を漏れ電流と見て、設定値を超えれば遮断します[13]。2電極法では測定電流を4mA以下に抑える機種があります。ただし感度電流10mA未満の遮断器や漏電リレーは、動作する可能性があります[13]。

Q.停電せずに接地抵抗を測る方法はありますか?

A.クランプアーステスタなら、停電や補助極の打ち込みなしで接地線を挟んで測れます[14]。ただし接地のループが成り立つ必要があり、避雷針のような単独の接地には使えません[14]。多重に接続された極が多く低抵抗なほど、正確に測れます[14]。

Q.設備の増設や変更のときは、接地抵抗をどう確かめますか?

A.太陽光発電所の使用前自己確認では、変更・増設なら既設接地極との導通試験で確認します[15]。新設の場合は機器ごとに接地抵抗を測り、基準値以下かを確かめます[15]。

出典(このページのもとにした記事・動画)

本文の [番号] はこの一覧に対応しています。詳しい経緯や写真は、書いた技術者本人のサイトでお読みください。

  1. [1]接地抵抗測定とは?原理、基準、目的、測定方法でんきメモ (memo-labo) / 2012年1月1日
  2. [2]接地抵抗測定の際、機器側と極側を繋いだ状態で測定しても良い?でんきメモ (memo-labo)
  3. [3]接地抵抗測定ぽんぽんタイガー(YouTube) / 2021年4月14日
  4. [4]接地抵抗は季節によって変わる?接地のトラブルや事故でんきメモ (memo-labo)
  5. [5]S-E間 B種接地線~トランス低圧側~MCCB1次側までの絶縁抵抗測定は必要?でんきメモ (memo-labo)
  6. [6]B種接地線が外れていた場合どうなる?でんきメモ (memo-labo)
  7. [7]接地抵抗計が壊れた?そんな時の確認方法でんきメモ (memo-labo)
  8. [8]受電設備各種試験佐近電気管理事務所
  9. [9]請負年次点検でのあれこれとある電気管理の位相 / 2026年9月29日
  10. [10]アース棒 打ち込み 工具 長さの違いでんきメモ (memo-labo)
  11. [11]補助接地極でんきメモ (memo-labo)
  12. [12]D種接地 アーステスタとは?原理、使い方でんきメモ (memo-labo) / 2021年12月4日
  13. [13]D種接地 簡易測定法 2電極法でんきメモ (memo-labo)
  14. [14]クランプアーステスタ・多重接地専用、原理、使い方でんきメモ (memo-labo) / 2021年10月26日
  15. [15]使用前自己確認検査の詳細について解説(太陽光発電所)保安電気管理 / 2025年4月8日
このページは、当サイトが収録している全国の現役電気管理技術者のブログ・YouTube をもとに、AIが要点をまとめ、 別のAIが「出典に書かれていない話が混ざっていないか」を審査してから公開しています。 記事の本文は転載せず、要約と出典リンクだけを載せています。現場での判断は、必ず出典と現物を確かめたうえで行ってください。 編集方針とサイト監修については運営者情報をご覧ください。誤りのご指摘・掲載停止のご希望もこちらから受け付けています。

あわせて読みたい解説

解説の一覧を見る